3. 消化管内での相互作用
東京大学医学部附属病院 薬剤部 大野能之
千葉大学大学院薬学研究院 臨床薬理学研究室 樋坂章博
本記事は薬剤師向け情報誌「PharmaTribune」に掲載されたものになります。
1. 消化管内pHの変化による相互作用
固形製剤の消化管からの吸収性は、消化管内における製剤の崩壊性および薬の溶解性により大きく変化します。併用薬により消化管内のpHが変化すると、これらに影響を与え、薬物相互作用を生ずる場合があります。
例えば、イトラコナゾールの固形経口薬は、プロトンポンプ阻害薬であるオメプラゾールと併用すると、オメプラゾールの酸分泌量低下作用による胃内pHの上昇により、イトラコナゾールの消化管での溶解性が低下し、血中濃度曲線下面積(AUC)が64%、最大血中濃度(Cmax) が66%低下することが報告されています1)。
一方、イトラコナゾールを溶解補助薬(ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)を用いて溶解した内用液製剤は、胃酸による溶解を必要としないため、オメプラゾールを併用してもその吸収は影響されないことが確認されています2)。なお、消化管内pHの変化による相互作用を回避するために、併用薬の投与のタイミングをずらすことは一般的には有用ですが、プロトンポンプ阻害薬が併用薬の場合は、その酸分泌量低下作用が不可逆的で持続性があるので、投与間隔を空けても十分な回避は困難であるといわれています。
消化管内のpHの変化が薬剤の消化管吸収に及ぼす影響は、溶解性に関係するものだけではなく複雑な面もあります。例えば、一般に消化管からは非解離型(非イオン型)の分子のみが吸収されますが、消化管内pHの変化は、非解離型と解離型の比に影響します。また、胃内容物排出速度にも影響を与えることが知られています。
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