メトホルミンの消化器症状―傾向と対策
2017年04月17日 07:00
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総説の背景:安全性の高い薬剤だが注意すべき副作用も
わが国では、食事療法・運動療法で十分な血糖管理ができない2型糖尿病患者に対して、どの経口血糖降下薬も等しく第一選択薬としてよく、患者の病態に応じて主治医が選択することになっている(糖尿病治療ガイド2016-2017)。
一方、米国糖尿病学会(ADA)・欧州糖尿病学会(EASD)の合同アルゴリズム(Diabetologia 2015;58:429-442)においても、米国内分泌学会・米国内分泌医会の合同アルゴリズム(Endocr Pract 2016;22:84-113)においても、単独薬物療法の第一選択薬はメトホルミンである。安全性、経済性、体重増加がないこと、心血管疾患予防効果の証明といった多くの点がこの薬剤を支持する要因とされている。
しかし、この薬剤にも欠点はあり、最も有名なものが乳酸アシドーシスである。造影剤使用時には乳酸アシドーシスの予防のために、どの医療機関・調剤薬局においても休薬の指導がなされていることであろう。一方、あまり強調されてはいないが、メトホルミンの副作用として専門医の間でよく知られているのが、下痢、嘔気、嘔吐といった消化器症状である。
このたび、メトホルミンによる消化器症状についての総説が英国の臨床糖尿病学雑誌(Diabetes Obes Metab 2017;19: 473-481)に掲載された。多くの臨床医にとって参考になると考え、ご紹介したい。
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