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瞳を閉じて

離島医はおもろい! | 2017.05.18

「風がやんだら沖まで船を出そう」という歌詞のあるYumingの歌、やまない風の中で繰り返し歌ったものでした。ヨット旅行で隠岐海峡約60kmを渡るときは長い航海(6~8時間)になります。船酔いがひどくてもヨットから降りることもできません。まだ幼かった娘が波風を怖がるのを紛らわせようと、ともするとひるみそうになる自分自身をも励ましていたのです。

 風が強ければ海はしけ、漁師さんの船は出せないこともあります。当地の漁師さんにはいわゆる"巻き網船団"に属するサラリーマン待遇の方と、自営業の"小漁師"さんがいます。巻き網船団は夕方船員さんが集まって出漁、灯船(ひぶね)で明かりを灯して魚を集め、本船(巻き網船)で囲み、運搬船で境港まで捕れた魚を運びます。

 春が来ても海水温が上がらないと鯛が捕れず、また春の海は穏やかなようで波が高くうねりが残ることもあります。そんなわけで、春は、漁師さんが陸で網仕事にいそしむ姿がよく見られる季節です。 網仕事とは、漁師さんが巻き網漁業で使う網の修理のことです。ポニョやニモが捉えられそうになる、あの船から吊り下げられている網です。風が強くて船を出せない夜が明けた日は、診療所に行くとすぐ目の前の港でカッパ姿の漁師さんが、次の漁に備えて網仕事を頑張っています。魚の臭いにつられてカラスやトンビが数え切れないほど舞っており、下手をすると近くに置いてある自分たちの車も鳥のフンだらけになったりして。

 今回は、印象に残っている漁師の患者さんのお話をします。担当は裕子です。

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