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特集「疑義照会を考える」

制度に乗じて薬局の差別化を

座談会「必要なのは、変えていく力だ!」

 2017年09月20日 10:30
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2017年4月、異色のメンバーが顔を合わせ、今後の疑義照会の在り方を巡って討議しました。その座談会の内容は、座談会記事「必要なのはかえていく力だ!」(全4回)でお伝えしましたが、実は、疑義照会に限らない話題も繰り広げられました。当コーナーでは、記事に書ききれなかった先生方のご発言を紹介します。

松原和夫

"患者は、松原クリニックに行くか岩田クリニックに行くか、情報を取る。どちらも感染症という看板を掲げていて、フィーは一緒。でも、検索すると、岩田先生は顔が出てくる、評判もいい。だから、岩田クリニックに行く。そこには、努力の差というものが歴然として出てくる"

IMG_4805松原先生アイコン02.JPG松原

今の薬局というのは、A薬局に行こうがB薬局に行こうが得られるサービスの質はほぼ同じ。けれども、そこに差が出てくることが大事です。診療所に置き換えてみましょう。患者は松原クリニックに行くか岩田クリニックに行くか、情報を取ります。同じ専門でフィーも同じ。だったら、評判のいい岩田クリニックを選びます。そこには、努力の差という物が歴然として出てきます。

こういったところを、保険薬局の薬剤師も見習うべきだと思います。優れた技能を持っていれば患者さんがどんどん来るようになり、報酬も上がるという仕組みができればよいですね。今は、どの薬局で働いても、会社の方針で同じような取り組みをしていることが多く、個人のスキルアップを図れる機会は少ないのではないでしょうか?

かかりつけ薬局、かかりつけ薬剤師、健康サポート薬局といった制度が敷かれ、だんだんと薬局・薬剤師を差別化する仕組みができてきています。それはいいことだろうな、と私は考えています。

周りと自分を差別化するために、皆努力していく。どこの薬局も同じだという、後ろ向きの前提に立たないでほしいですね。

zadankai_kamei.JPG亀井

確かに、薬剤師・薬局の業績や口コミの情報収集は、それほど行われていないという印象ですね。今後、健康サポートや高度薬学管理機能といった薬局ごとに特色が明確になれば、「この薬局に行けばこんなサービスが受けられる」とか、「この薬剤師がよかったよ」という口コミが増えたり、薬局・薬剤師が個々に評価される仕組みが自然にできてくるのではないかなと思います。

IMG_4807アイコンweb02.JPG高橋

健康サポート薬局の制度は、「我々はこのようなサービスを提供する薬局を用意しますよ」というアピールとしては良いと思います。ただし、このアピールによって患者から選ばれるということになると、事情は複雑です。

調剤報酬は現在、薬局の規模等によってフィーが細分化され、それが患者負担に反映しています。望ましいとされる薬局が、価格面では患者に逆のメッセージを送ってしまっている。では、薬剤師の能力によって集患できるかというと、「料理の味」のように患者側が的確に判断することも簡単ではありません

「市場の失敗」と呼ばれる状況であり、慎重に議論しなければいけません。

IMG_4873アイコン02.JPG岩田

高度薬学管理という観点では、薬局・薬剤師により、得手不得手があるはずです。しかし、今の仕組みでは医師が薬局を誘導できないので(保健医療機関及び保健医療養担当規則第2条の5、及び第19条の3)、「勝手にどこか選んでください」と言うしかない。患者さんにしてみれば、理不尽な対応です。

癒着はよくないかもしれませんが、特に都会においては、薬局の機能分化が進むとよいだろうと考えています。「この病気についてはあの薬局」といった差別化ができるような、規制緩和が実現したらよいと思います。薬局の立場に置き換えると、「私のところはここが得意」という、とんがった武器みたいなものはあった方がいいという認識です。

抗HIV薬のような特殊な薬を処方する場合、「あの薬局に行ってほしい」というところが、本当はあります。別の薬局では取り寄せになってしまうし、薬剤師の知識もない。患者さんにしてみれば、HIVの患者さんは院外処方箋を出されるのが嫌だというのも知っているから、安心していける特定の薬局があるといいです。

がんの治療においても、薬剤師が活躍する場所が徐々に増えています。バイオ製剤や分子標的薬が多様に揃う中で、やっぱり薬剤師の得意ワザが必要になってくるわけです。特に最近の薬はすごく複雑になっていて、例えばサイトカインをブロックする薬とかは、いろいろなところに影響してくる。今までの高血圧の薬のように、一筋縄ではいかなくなってきているのです。

抗HIV薬もすごく複雑で、私自身も薬の知識を完全に網羅している自信はありません。薬剤の高度な情報を、医師がカバーできない可能性が高まっています。薬に関する知識や相互作用の問題点などに精通し、それらの情報と患者の病状を掛け合わせてうまくチェックしてくれる。薬剤師による、そのようなサポートは必要です。

zadankai_kamei.JPG亀井

薬局が専門性を高めることによって生じる差別化は、有効な薬物療法のため、さらには医療全体にとって、いい流れなのかなと思います。

IMG_4807アイコンweb02.JPG高橋

私の薬局のある地方都市(兵庫県三木市)では、なかなか機能分化は進んでいません。しかし、門前への誘導を防止するため設定された、「医師が薬局を勧める行為の禁止」という状況は、いつか変わることが望ましいと思います。

薬局側としては、ばんばん医師を紹介しています。三木市のあたりですごく多いのは、未治療の糖尿病の患者さんや骨粗鬆症の患者さん。とにかく大勢、薬局に来られます。それで、「検査をした方がいいよ」と話をしたときに、「どこのお医者さんがいいか」と聞かれ、紹介する。言い換えれば、薬局が診療所を指定してしまうというわけです。

ジェネリックの使用をどれだけ言いくるめたかで、薬局のフィーが決まるというのは士気も下がります。『財務省と厚労省と医師会と薬剤師会の綱引きを、現場の薬剤師に投げないでくれ』、こういう感覚は、ジェネリックの問題に限らず、恐らく皆持っていると思います。

IMG_4873アイコン02.JPG岩田

三木市のようなところだと、地域性に応じた薬剤師の特性が必要です。例えば、「糖尿病と高血圧と高脂血症と尿酸を下げる薬をみんな出さなければいけない」という患者さんを得意にするとか、そのような感じになってくると思います。

それから、抗菌薬の適正使用が図れることも、薬剤師を差別化する機能の1つでしょうね。

また、添付文書に書かれているからOKではなく、添付文書に書かれていても間違いであることが多くあるということを認識してほしいです。そこに切り込んでいく機能は、薬剤師にある程度は求めたいです。Beyond添付文書ですね。

IMG_4805松原先生アイコン02.JPG松原

薬局には、患者さんを見てセルフメディケーションを勧めたり、診療所に振り分けたりする機能も求められます。

地域包括ケアシステムにおける健康サポート薬局の役割というのは、病院の中にある地域連携室のようなもの。その意味を考えれば、薬局が診療所を紹介するというのは当然です。いずれは、医師側も薬局を紹介して良いとなるのか。地域連携室であれば、紹介し合うのが当然ですので。

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