世界の食事摂取基準を変える!新研究
世界18カ国のコホート研究PURE
2017年09月21日 09:58
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研究の背景:最近の研究は20世紀の栄養学を否定、侃々諤々の様相を呈する
20世紀の栄養学では、脂質を控えることが動脈硬化症の予防になると信じられてきた。この情報の出典は7カ国研究(Seven Countries study)と呼ばれるKeysらの古典的研究(J Mt Sinai Hosp NY 1953;20:118-139)や、心血管疾患が高頻度の一部の国における高飽和脂肪酸食(全エネルギーの20%以上の飽和脂肪酸摂取)に関するデータにあったようだ(Ann Nutr Metab 2009;54 suppl1:33-38、関連記事「糖質制限食をめぐる議論の沸騰<2>」)。
しかし最近の研究では、飽和脂肪酸や脂質の摂取と死亡率や心血管疾患発症率との間に有意な相関がない、あるいは逆にリスクが低くなるといったことが示され(Am J Clin Nutr 2010;91:535-546)、侃々諤々の様相を呈するようになっていた(BMJ 2013;347:f6340)。
そんな中、5大陸18カ国で合同して実施された前向きコホート研究がPURE(The Prospective Urban Rural Epidemiology)studyである。このたび、その主たる結果がLancet 2107年8月29日オンライン版に報告され、脂質摂取は総死亡と負に相関する(摂取量が多いほど総死亡率が低い)ことが示され、逆に炭水化物摂取が総死亡と正に相関する(摂取量が多いほど総死亡率が高い)ことが示された。今後のわが国の栄養政策にも大きな影響を及ぼす可能性があるPURE studyの結果をご紹介したい。
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