メニューを開く 検索 ログイン

ホーム »  連載・特集 »  特集「疑義照会を考える」 »  薬局とプライバシー

特集「疑義照会を考える」

薬局とプライバシー

座談会「必要なのは、変えていく力だ!」

 2017年09月21日 10:00
プッシュ通知を受取る

2017年4月、異色のメンバーが顔を合わせ、今後の疑義照会の在り方を巡って討議しました。その座談会の内容は、座談会記事「必要なのはかえていく力だ!」(全4回)でお伝えしましたが、実は、疑義照会に限らない話題も繰り広げられました。当コーナーでは、記事に書ききれなかった先生方のご発言を紹介します。

松原和夫

"岩田先生は抗HIV薬を院外処方している。抗HIV薬を院外に出しているのは拠点病院の半分よりも少ないのでは。京大病院は、まだ出していない。なぜ院外に出さないか。理由の1つに、薬局の問題があります保険薬局には行きたがらないのです。"

IMG_4805松原先生アイコン02.JPG松原

抗HIV薬の処方箋を、なぜ院外に出さないのか。理由の1つには薬局の問題があります。保険薬局には行きたがらないのです、個人情報が漏れるから。オープンな空間で、薬剤師が横に来てお話しされるのだが、その隣に座っている人には全て聞こえる。それが絶対に嫌だと、特にHIVの患者さんは思っているのです。

IMG_4873アイコン02.JPG岩田

飲んでいる薬って、巨大なプライバシーですからね。

IMG_4805松原先生アイコン02.JPG松原

そこをまったく配慮していない薬局があるのです。

zadankai_kamei.JPG亀井

既に、ある程度の薬局では、ついたてで仕切られた相談スペースなどが設けられていますが、完全にプライバシーを確保できるようなスペースは、どの薬局にも必須と言えますね。健康サポートや高度薬学管理ケアを行いたいのであればもちろん、かかりつけ薬局として医師と連携して、薬剤師が患者情報を吸い上げるということまでするのならば、プライバシーの確保が前提になります

こうしたプライバシーの確保は薬局の質を高め、差別化にもなると思います。

IMG_4873アイコン02.JPG岩田

そういうサービスを打ち出している薬局が選択されていくでしょうね。プライバシーを重視することが経営に結びついていくと、経営者は知っておいた方がよいと思います。

大学病院は以前、患者さんを名前で呼び出していましたが、そこから番号で表示するようになるまで3、4年かかりました。こういう改善は、時間はかかるでしょうね。でも、流れとしては、恐らくそうなっていく。誰かがやりだしたら、「うちもやらなきゃ」となると思います。良くも悪くも日本は追随型なので。

zadankai_kamei.JPG亀井

保険の算定要件とかになると加速するのでしょうか

IMG_4807アイコンweb02.JPG高橋

薬局が患者のプライバシーを守れる場所になるアプローチは複数あります。もしも本当に個室、あるいは周囲から見えない空間が必要なのだとすれば、調剤報酬に10円加算するだけでも誘導は可能でしょう。報酬が高くなるのはけしからん、というのであれば他の項目を10円削ればよいだけですから、何の問題もありません。こうしたトップダウンの手法は極めて容易です。

ただ、巷で言われるような「薬局のプライバシー問題」が非常に大きいかどうかにについて、疑問はあります。

調剤薬局が立ち並ぶような地域で、プライバシーに配慮したカウンターがある薬局に患者が集まるのであれば、放っておいても、そうした薬局は増えていくはずです。その動きは必ずしも大きい訳ではありません。良い悪いは別として、患者側には「薬剤師と会話したい訳ではない。早く帰りたい」とのニーズもあるはずです。

プライバシーが守れないから会話したくないのか、会話したくないからプライバシーの話をするのかについても、考える必要があります。

多くの薬剤師は、プライバシーに配慮していると思います。私の薬局でも、パーティションのあるカウンターが1つあり、残りはオープンです。後ろに別の患者さんがおられると、問題があるような表現を外して説明をするなど工夫もします。婦人科疾患などでほとんど喋れずに終わってしまい、少し待っていただく、後で電話するなど右往左往することもあります。

拙速な議論にならないか、注意が必要だと思っています。

IMG_4873アイコン02.JPG岩田

プライバシー対策としては、コミュニケーションの方法も重要です。抗HIV薬を出している薬局とは一緒にカンファレンスを開いて、言葉の使い方などをレクチャーしました。例えば、薬の名前や病名を示唆するキーワードを言わずに指導する方法があります。指差しながら「コレは食事と一緒に、コレは空腹時に飲んでください」とか。「コレは」と言って、薬の名前は口に出さない。

このレクチャーは、薬剤師だけではなく、入院している看護師や、ソーシャルワーカー等の関係者全員に行わないといけません。HIVの患者さんはお金のない人が多い。個室に入院ということはめったになく、だいたい相部屋です。他の患者さんに聞かれても疑いが出ないようにと、コミュニケーションツールを作りました。医師も同じように教育をしなければいけませんが、なかなか大変です。

特集「疑義照会を考える」一覧

記事一覧

    

新規会員登録はこちら

ワンクリックアンケート

トンデモ医療の被害にあった患者を知っている?

当日人気記事TOP10(医師)

ホーム »  連載・特集 »  特集「疑義照会を考える」 »  薬局とプライバシー