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特集「疑義照会を考える」

面倒なことはしなくていい

座談会「必要なのは、変えていく力だ!」

 2017年09月25日 10:00
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2017年4月、異色のメンバーが顔を合わせ、今後の疑義照会の在り方を巡って討議しました。その座談会の内容は、座談会記事「必要なのはかえていく力だ!」(全4回)でお伝えしましたが、実は、疑義照会に限らない話題も繰り広げられました。当コーナーでは、記事に書ききれなかった先生方のご発言を紹介します。


岩田健太郎

"面倒なことはしたくないという発想が、そもそも良くないという風潮が日本にあるが、私なんかは、面倒なことをしないのはとても良いことだと前々から思っている。"

IMG_4873アイコン02.JPG岩田

面倒なことをしないようにするには、実は努力しなくてはいけない。楽をするためには、より能動的に頑張らなくてはいけなくて、実はそっちの方が辛いのです。京大病院の疑義照会簡素化プロトコルなどは、作る課程でいろんな人からものすごく反対を受けたりして、大変だったと思います。

「日本人はよく努力する」といいますが、私は逆の見解を持っていて、日本人て努力しない。現状維持に甘んじて、ちまちました面倒なことをのみ込んでしまって、もっと楽にするための工夫や苦労はやらないと。ある意味、本質的には怠惰だと思っています。だから、面倒なことは良くないことだという直感を、もっと肯定的に受け止めたら良いのです。

昨年、厚生労働省が感染管理のためのチームによる院内巡回というのを加算にしました。医師、薬剤師、看護師、検査技師の4種が揃って"一緒に"、病院の"全ての"セクションを回らないと加算は取れないと。

私はすぐに厚労省に手紙を送りました。「何で4人が揃って歩かなきゃいけないのか。そうすると、1人が仕事すると他の3人の時間が奪われるじゃないか。皆バラバラに回ったって良いじゃないか」と。

みんなプロなんだから。何で4人が連れだって歩かないといけないのか、論理的必然性がないし、それを行って院内の感染症がよくなるというエビデンスもない。他の国でそんなシステムを取ってるところはどこにもありません。

みんなでめんどくさいことをやって、苦労して、努力して、冷や汗かきなさい。そういうことをしないとお金はあげないよ」という、そういう奴隷根性がそもそもよくないのです。「もっと効率的に回って労働時間を短縮する方が大事。その病院を褒めてあげるべきだ」と書きました。4人がバラバラに回った方が、4人一緒に回るよりも正しい病院だと、そういう評価の仕方をすべきじゃないかと厚労省に言ったのです。

疑義照会も同じ。要するに、「たくさん電話がかけて一生懸命苦労して、薬剤師が汗をかくと許してあげよう」みたいな風潮があります。そうではない。もっと工夫して、もっとクリティカルな方にエネルギーを費やして、無駄なことはどんどん省く。そういうことを良しとする姿勢というのをもっと持つべきです。日本は、特に医療界はブラックなので、苦労して遅くまで頑張って、大変な目に遭わないと認めないみたいなところがある。あれが、そもそもの間違いですね。

※1) 感染防止対策加算:院内や地域連携における感染対策の取り組みを評価するために設けられた。2016年の改定では、加算対象となる施設基準に感染制御チームによる院内巡回が加わり、同年3月31日付けの疑義解釈で、チーム全員で各病棟を1週間に1回程度、毎回巡回し、病棟以外の全部署を毎月巡回することと示された。これに対して岩田氏は、「合理性を欠いている」として厚労省に要望書を提出。同年4月25日付けの疑義解釈で、巡回の人数や頻度が緩和された。巡回は少なくとも2名以上で行い、リスクが高い病棟は週1回程度、それ以外の病棟は毎月、患者に侵襲的な手術・検査をしている部署は2カ月に1回以上を巡回することとされた。

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