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O157食中毒事件に見る現場主義の危うさ

神戸大学微生物感染症学講座感染治療学分野教授 岩田健太郎

 2017年12月01日 06:25
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イメージ画像 (c)Thinkstock/Getty Images

腸管出血性大腸菌は世界的な問題だ

 「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」

 昔、流行ったドラマのセリフだそうだ。僕はドラマの良い視聴者ではないので、観たことはないが。ま、そういう側面もある。しかし、この「現場に行くのが大事だ」が、「現場に行っときさえすればいいんだ」になりがちな危うさを、僕は時に感じる。

 例えば、今年(2017年)8月に起きた腸管出血性大腸菌(いわゆるO157)食中毒事件である。群馬、埼玉のデリカテッセンで食中毒が発生したとして、保健所が立入検査を行い、やれトングの使い方が悪いのなんのと議論、憶測が飛び交った。しかし、実際には同じ遺伝子型のO157による感染が15都県、計91人に起きていたのである1)

1)https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20171120-OYTET50032/

 このような広範な広がりを見せている食中毒病原体の調査をするなら、より「上流」の感染源(ソース)を探すのが定石だ。一方、現場の調査は翌月(9月)に行われたのだが、その時点では各所から菌が検出されない可能性は高い。よって、単純な現場調査、患者調査だけでなく、例えば非患者(対照群)との比較試験なども行わなければならない。

 そんなのは、11月の報道を見た上での後出しジャンケンだろ。後からならなんとでも言える、現場ナメんな・・・と思ってはいけない。なぜなら、このO157の流行が広範囲に及ぶことは、感染症関係の国際メーリングリスト、ProMEDで9月2日には既に専門家間で共有されていたからである2)。この時点で、「トングとか調べてる場合じゃない」のは自明であった。

2)http://www.promedmail.org/direct.php?id=20170902.5290952

 とはいえ、病原性大腸菌は世界的な問題であり、これに苦しんでいるのは日本だけではない。そこで、今回は海外における腸管出血性大腸菌アウトブレイク事例と、その調査方法を紹介しよう3)

3)Crowe SJ, et al. Shiga Toxin-Producing E.coli Infections Associated with Flour. N Engl J Med 2017 Nov 23; 377(21): 2036-2043. doi:10.1056/NEJMoa 1615910.

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薬のデギュスタシオン2

  

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