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【2018年 医学はこうなる】橋本洋一郎

熊本市民病院神経内科

 2018年01月02日 06:00
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私が選んだ2017年 医学3大ニュース

 

 私の専門フィールドである、脳卒中、頭痛、禁煙からニュースを1つずつ選んだ。

1.RESCUE Japanがデータ公開(脳卒中領域)  

 脳卒中・循環器病対策基本法の成立の見込みがない中、脳卒中診療の均霑化の動きが出てきたのが2017年であった。2月3日に厚生労働省の「脳卒中に係るワーキンググループ」に参考人として参加し、脳卒中診療体制について意見を述べさせていただいた(写真1左上)。

写真1.2017年のイベント

1712048_fig2.png

  左上:2月3日の脳卒中に係るワーキンググループ(2月3日、東京)、 国立循環器病研究センター理事長の小川久雄先生と私

 右上:STROKE 2017(3月16〜19日、大阪)

 左下:熊本地震シンポジウム2017(4月22〜23日、熊本)

 右下:HMSJ 2017 in KUMAMOTO(10月8日、熊本)

 最終的に7月31日に厚生労働省から「脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方について」という報告書が出され、第7次医療計画策定の指針となった。

 2016年12月に公表された「脳卒中と循環器病克服5カ年計画」の実現のために、2017年に日本脳卒中学会と日本循環器学会が動き出した。脳卒中センターの認定が今後の大きな課題である。

 3月16〜19日に大阪で開催されたSTROKE 2017には全国から6,640人が参加し、活発な発表と討議が行われた(写真1右上)。

 脳卒中治療にもカテーテル治療の時代がやってきて、①脳梗塞に対する血管内治療(関連記事「血栓回収療法、3連敗から5連勝」)②未破裂脳動脈瘤への血管内治療③卵円孔開存のある潜因性脳梗塞に対する経皮的卵円孔開存閉鎖術(関連記事「経皮的卵円孔開存閉鎖術、3連敗から3連勝」、わが国では保険未収載)―と脳卒中診療が大きく変化している。このような中で血管内治療に関して「RESCUE Japan」がデータを公開し、脳卒中診療システムの構築を行う上で地域の実態を把握することができる(図1)。

図1.人口10万人当たりの日本脳神経血管内治療学会専門医数

1712048_fig3.png

(RESCUE Japan)

 問題は医療資源の地域間格差である。

2.カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした抗体療法(頭痛領域)

 日本頭痛学会では、①地域頭痛教育センター教育施設②教育施設③准教育施設④教育関連施設―と4種の認定教育施設を定め、また頭痛専門医とその所属施設を公表しており、頭痛診療の均霑化が着々と進んでいる。

 Headache Master School Japan(HMSJ) 2017 in KUMAMOTOを10月8日に熊本で開催させていただいた(写真1右下)。HMSJは頭痛専門医の育成とともに頭痛専門医の認定取得後の生涯教育のために年2回開催されている。4,000万人ともいわれる一次性頭痛患者をかかりつけ医と協力して診療するには頭痛専門医の絶対数が足りず、また地域間格差が大きいのが実状であり、頭痛専門医を育てるために大きな役割を果たしており、200人の方に北海道を含む全国から熊本にお越しいただいた。なお4月22〜23日に熊本で開催した熊本地震シンポジウム2017には全国から600人の方に参加していただいた(写真1左下)。

 頭痛診療ではくも膜下出血などに伴う二次性頭痛(症候性頭痛)の診療に比重が置かれ、一次性頭痛の診療が十分でなかった。そのため、薬物乱用頭痛(薬物の使用過多による頭痛)の問題が続いている。トリプタンが使用可能になり頭痛診療が大きく変化したが、トリプタン乱用頭痛も増加している。予防治療が十分なされていない問題もあるが、一方で、現在ある予防薬では限界がある。また慢性片頭痛をどのように治療するかという課題もある。このような中でCGRPレセプター抗体であるAMG 334(erenumab)、CGRP抗体であるLY2951742 (galcanezumab)、TEV-48125 (fremanezumab)、ALD403 (eptinezumab)などの計4剤(当院では2剤)の治験が進行中であり、将来、片頭痛や群発頭痛の診療が大きく変わる可能性が出てきた。

3.加熱式たばこも有害(禁煙領域)

 東京オリンピックおよびパラリンピックに向けての受動喫煙防止法の制定が足踏みする中、非燃焼・加熱式たばこに対して、3学会からの声明や見解が出された(表1~3)。

表1.加熱式たばこに対する日本禁煙学会の声明

1712049_fig1.png

(日本禁煙学会http://www.jstc.or.jp/modules/information/index.php?content_id=119

表2.加熱式たばこに対する日本禁煙推進医師歯科医師連盟の声明

1712049_fig2.png

(日本禁煙推進医師歯科医師連盟http://www.nosmoke-med.org/

表3.非燃焼・加熱式たばこや電子たばこに対する日本呼吸器学会の見解

1712049_fig3.png

 (日本呼吸器学会http://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/photos/hikanetsu_kenkai.pdf

 加熱式たばこには、iQOS(アイコス、フィリップモリス、2014年11月に名古屋で発売) 、Ploom TECH(プルームテック、日本たばこ産業JT、2016年3月に福岡で発売)、glo(グロー、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ、2016年12月に仙台で発売)の3種類があるが、その基本的な構成、内容はほぼ同一と考えられる。わが国ではニコチン入りの電子たばこは発売されておらず、その分、加熱式たばこが世界に先駆けて発売されてきた。

 軽いたばこの有害性が少ないというのは間違いだったという経験も踏まえ、非燃焼・加熱式たばこが、従来の燃焼式たばこに比べて害が少ないという根拠はないという考えで対処すべきである。喫煙者が、harm reductionという罠に陥らないように、医療従事者は加熱式たばこに向き合わなければならない。

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