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結局、COPDにスタチンは効くのか?

 2018年01月16日 06:00
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研究の背景:機は熟した、COPDに対するスタチンの試験結果が集積

 スタチンは、そもそも脂質異常症の薬剤である。なぜ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のような全く関係のない疾患でスタチンの効果が議論されているのだろうか。ずばり、スタチンの持つコレステロール低下以外の作用が大きな理由である。それが、抗酸化作用・抗炎症作用・血管内皮機能改善作用である。虚血性心疾患に効果があるのも、脂質に対する効果だけでなくその他の作用が恩恵をもたらしているためと考えられている。

 COPDは、全身炎症性疾患である。喫煙によって全身に酸化ストレスがもたらされ、血中の炎症性サイトカインが亢進することが分かっている。これまでサイトカインに関して、TNF-αとCOPD患者の体重減少、IL-6、IL-8とCOPD患者の大腿筋力低下との関連など、いろいろ研究されてきた。21世紀に入ると、サイトカインの研究から一歩進み、抗炎症作用を利用したCOPD治療が注目を集めるようになってきた。

 その候補の1つがスタチンである。これまで、スタチンはCOPDに対して有効かもしれないと考えられてきたが、大部分がエビデンスの高くない小規模な検討に基づくものだった。しかし2013年、増悪を経験したCOPD患者1,500例以上に対して、6,000例近いコントロールマッチ患者を設定し、スタチン投与とCOPD増悪のリスクを調べた研究が報告された(Am J Med 2013;126:598-606.e2)。これによれば、スタチンの投与は、COPD増悪リスクを30%低下させている(調整オッズ比0.70、95%CI 0.56~0.88)。また、スタチンによるCOPDの増悪抑制効果は、用量依存的に観察されたことも驚きであった(中等量:同0.60、0.41~0.89、高用量: 0.33、0.14~0.73)。

 さらに昨年(2017年)、COPD患者に対するスタチン投与が全死亡の減少につながるのではないか、とニュースになった(Chest 2017;152:486-493)。カナダの研究グループが4万例近いCOPD患者のデータを調べたところ、スタチンを使用することで推定全死亡ハザード比が有意に低下したことが示されたのだ(ハザード比0.79、95%CI 0.68~0.92、P=0.0016)、

 もちろん、スタチンの効果など取るに足らないと主張する研究グループもある。有名なSTATCOPE試験(N Engl J Med 2014;370:2201-2210)では、スタチンはCOPD増悪に効果をもたらさないと報告されている(COPD増悪率はシンバスタチン群とプラセボ群で同等だった)。

 機は熟した、ということで総括に入る研究グループが出始めた。今回のメタ解析(Chest 2017;152:1159-1168)はその発端と考えてもらえればよい。

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