また変わった! 世界最新の高血圧診療
西伊豆健育会病院病院長 仲田 和正
2018年03月16日 11:08
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N Engl J Med(2018; 15: 636-644)に「高血圧の初期治療」の総説(Clinical Practice)がありました。うんざりすることに、またまた高血圧の定義が大きく変わってしまいました。世界最新の高血圧の総説です。 この数年、外来で小生は米国の8th Joint National Committee(2014年)のガイドラインを使ってきました。覚える数字は150、140、90の3つで大変便利に思っておりました。
- 60歳未満では血圧140/90mmHg以下に、糖尿病(DM)と慢性腎不全(CKD)患者も同じ
- 60歳以上では血圧150/90mmH以下に
今回、なんと血圧は130/80mmHg以下にすることになってしまいました。60歳以上では、収縮期血圧が20も下げられてしまったのです。
New Engl J Med総説「高血圧の初期診療」最重要点9つは以下の通りです!
- 高血圧は年齢、DM、CKDの有無にかかわらず130/80mmHg未満にせよ!
- 130/80~140/90mmHgはStage 1高血圧。心血管疾患リスク計算10%未満は生活改善
- 運動、減塩、減量、アルコール制限し地中海式食事を。NSAIDは切れ
- 140/90mmHg以上、心血管疾患、DM、CKD、心血管リスク10%以上は降圧薬開始
- 血圧測定は坐位、背をもたれ下肢交叉せず足底は床に、5分安静後に
- 検査はNa、K、Ca、UA、Cr、eGFR、Hb、thyrotropin、脂質、検尿、尿alb/Cr比、EKG
- 降圧薬はサイアザイド、Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARBの4つから選べ
- 塩分摂取の多い者はサイアザイドを、少ない者はACE、ARB
- Ca拮抗薬は追加薬として使用せよ
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