実証された「血糖測定は血糖管理を改善」
Flash Glucose Monitoringの実臨床データから
2018年10月18日 06:00
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研究の背景:臨床試験では参加バイアスを除去できない
以前、Flash Glucose Monitoring(FGM)の論文をご紹介した(関連記事「2017年、血糖測定新時代の幕開け」)。上腕に500円玉大のセンサーを貼り付けておくだけでリーダーを近づける(スキャンする)たびに瞬間的に血糖値※を測定でき(リーダーを上腕のセンサーに近づける行為をスキャンと呼ぶ)、かつ過去8時間分の血糖の推移を15分ごとの値として知ることができるのがFGMである。
1枚のセンサーで14日間にわたって指尖からの採血を必要とせずに血糖を把握できるこの機器は、既存の指先採血の自己血糖測定(SMBG:Diabetes Technol Ther 2015;17:787-794)や高精度の持続グルコースモニター(CGM:J Endocrinol Invest 2016;39:1391-1399、Diabetes Technol Ther 2018;20:541-549)と同等のレベルの精度で血糖値を測定できるだけでなく、糖尿病患者の血糖管理を改善できる可能性がある(J Diabetes Sci Technol 2017;11:442-443)ことを紹介した。
しかし、それ以前に紹介したSMBGによる血糖管理改善についての研究もそうであるが(関連記事「インスリン注射をしていない患者に対する自己血糖測定の意義」)、どうしてもこうした臨床試験のデータにおいては、試験に登録されていることを患者が意識することによって他の治療法(食事や運動、薬物療法など)への遵守度が向上する可能性を否定し切れない。すなわち、臨床試験に参加していること自体による血糖管理向上のバイアスを除外できないわけである。
このたび、実臨床の現場におけるFGMでの血糖測定回数と血糖管理との関係性を検討した研究の結果がDiabetes Res Clin Pract(2018;137:37-46)に掲載された。臨床試験に組み入れられているという意識を持たない対象においても、FGMでの血糖測定が血糖管理の改善と関連していることが示されており、ご紹介したい。
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