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テオフィリンはもはや時代遅れなのか

 2018年11月21日 06:10
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研究の背景:効果に比べて副作用リスクが大きいテオフィリン、低用量なら?

 2018年の日本のガイドライン〔『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン2018(第5版)』〕では、テオフィリンによる1秒量の改善効果は、エビデンスの豊富な吸入気管支拡張薬よりも小さいとされている。また、国際的なガイドラインであるGOLD2018においても、テオフィリンは吸入気管支拡張薬を使うことができない場合にやむをえず使用するスタンスで推奨されている。

 COPD患者に対して、昔からテオフィリンは漫然と投与されてきた。もちろん、それなりにエビデンスがあってこそ地位を確立してきたわけだが、残念ながら近年、特に海外ではテオフィリンなどのキサンチン誘導体は用いられなくなりつつある。その理由は、効果に比べて副作用リスクが大きいからである。

 2002年のコクランレビュー(Cochrane Database Syst Rev 2002;CD003902)によれば、安定期COPDに対するテオフィリンの使用は、プラセボと比較して1秒量や努力性肺活量を上昇させるものの、COPD増悪については差を認めていない。そして、このレビューでは、テオフィリン投与によって嘔気のリスクが上昇(リスク比7.67、95%CI 1.47~39.94)することが示されている。同様に、Horitaらによる7件の観察試験のメタ解析(Arch Bronconeumol 2016;52:233-238)でも、テオフィリンは死亡リスクを上昇させることが示されている(ハザード比1.07、95%CI 1.02~1.13、P=0.003)。

 プライマリケアにおいてテオフィリンが問題になるのは、嘔気・嘔吐である。特に超高齢者の場合、意図せぬ血中濃度上昇により、この副作用が強く出ることがあり、注意が必要である。そのため、より低用量(1日200~400mgなど)にして用いることで、安全性を担保しつつ1秒量を底上げしたいと考える専門家もいる。血中濃度が10~20mg/Lを超えてくると副作用が多くなるため、8~12mg/Lあたりに抑えることが望ましいといわれている。

 一方、臨床前研究において、もっと低い血中濃度、例えば1~5mg/Lであっても、ステロイドとのシナジー効果があることからCOPD患者に対する利用価値があるという意見も存在する(J Exp Med 2004;200:689-695Am J Respir Crit Care Med 2010;182:897-904)。

 今回、低用量テオフィリンに対して1つのエビデンスが示された(JAMA 2018;320:1548-1559)。結論から書くと、低用量テオフィリンを用いる意義はさらに薄まりそうである。

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