メニューを開く 検索 ログイン

ホーム »  連載・特集 »  薬剤師のための薬物相互作用 »  薬物相互作用ポスター(2019年版)の使い方

薬剤師のための薬物相互作用

薬物相互作用ポスター(2019年版)の使い方

 2019年02月21日 08:00
プッシュ通知を受取る

大好評の薬物相互作用ポスター。ここでは、正しく使いこなすための注意点を紹介します。

薬物相互作用ポスターダウンロードはこちら

PT101_p27.jpg

Bの薬が基質。Bの効果がCの併用で強まりDの併用では弱くなる(例外あり)

 Bの「相互作用を受ける薬物」は、pH上昇やキレート形成の影響を受ける薬、その代謝酵素で代謝される薬、または、そのトランスポーターで輸送される薬、つまり基質です。B-1~4の薬は、同じ代謝酵素・トランスポーターの欄のC-1~4、D-1~4の薬との併用に注意になります。

 血中濃度を上昇させるC-1~4との組み合わせではB-1~4の効果が強まって副作用が出るかもしれないし、血中濃度を低下させるD-1~4との組み合わせでは効き目が弱くなる可能性があります。C-2~4は基本的に阻害薬でD-2~4は誘導薬ですが、トランスポーターの場合は発現している場所のせいで逆になっていることもあります。

 例外は常にあり個人差も大きいので、患者さんの薬歴を確認して、状況にあわせて1つ1つ添付文書やインタビューフォームで調べることが重要です。この表は添付文書の代わりではないので、調べる手間を惜しんではいけません。それからクロピドグレルとトラマドール、タモキシフェンは代謝されることで効き目が強くなる薬なので要注意です。他の薬剤とは逆に、C-2との組み合わせで効果が弱まり、D-2との組み合わせでは強くなります。

同じグループの薬を飲んだら?

 B-2の薬同士を併用すると、「CYPの同じ部位を認識する基質薬だから、競合阻害を起こして、血中濃度が上昇する」と考えがちですが、実際は違います。B-2~4だけに載っている薬は、他の薬に相互作用する力は弱く、心配はいりません。

赤と★に特に注意!

 薬物名が、緑に色分けされているのは、相互作用を受ける薬物の血中濃度AUCの変化のしやすさ、あるいは阻害薬・誘導薬の変化のさせやすさを表しています。の順に変化の程度が大きいので、赤同士の組み合わせは特に注意が必要ということになります。

:5倍以上あるいは1/5以下へのAUCもしくは血中濃度の変動が基本的に報告されているもの
:3倍以上あるいは1/3以下へのAUCもしくは血中濃度の変動が基本的に報告されているもの
:2倍以上あるいは1/2以下へのAUCもしくは血中濃度の変動が基本的に報告されているもの
: トランスポーターの相互作用において,青の基準に至らないが有意な変動の認められたもの、およびin vitroの情報から相互作用があると強く示唆されるもの

 同士だと阻害の場合に血中濃度AUCは少なくとも3倍、場合によっては10倍以上に上昇する可能性もあり、これはかなり危ない組み合わせになります。とはいえ、血中濃度が上がることが本当に危ない薬と、それほどでもないものがあります。そのため、ポスターやポケット版には、血中濃度の変化がリスクにつながりやすい薬効群に★がついています。

 ★のついた薬については、の組み合わせでも安易に考えない方がよいでしょう。考え方の1つの例として表を示します。この表は基本として大事ですが、リスクがあっても併用しなくてはならない場合もあるため、薬ごとに自分でしっかり考えることが必要になります。特に、相互作用を避けるために治療に必要な方の薬を中止してはいけません。

表.色の組み合わせによる注意区分の例

PT101_p27.jpg●実際の相互作用の注意喚起にあたっては、臨床上の必要性を十分に考慮すること。また、必ず添付文書の記載に従うこと
●この表の区分は例示であり、ポスターの記載薬を含め随時変更される可能性がある

注)CYPについては、赤の太字は、相互作用予測のためのパラメータCRあるいはIRが、それぞれ0.90.80.7および0.5以上、またICについては942以上および1以上に概ね対応する。詳細はHisaka et al. Pharmacol Ther. 2010: 125: 230-248. あるいは大野らの月刊薬事(じほう社)の2009年4~7月の連載記事を参照

CR:CYP分子種の基質薬のクリアランスへの寄与率(contribution ratio)
IR:阻害薬の阻害率(inhibition ratio)
IC:誘導薬によるクリアランスの増加(increase in clearance)

※印にも注意!

 ※印がついている薬剤は、不可逆的な阻害等のため阻害効果が最大に達するまで、あるいは消失するまでに数日を要するものです。一般に、阻害薬が酵素と共存する時間が長いほど、阻害の程度が強くなるから注意が必要です。

Aには日本人で活性の弱い人の割合も(参考情報)

 A-2~4の項目にある数値(%)は、代謝酵素・トランスポーターの名前と一緒に、生まれつきその活性の弱い人の割合が書かれています。活性の弱い人はB-2~4の薬を飲んだだけで、強い阻害剤を一緒に飲んだのと同じことになってしまいます。将来は遺伝子検査がもっと広がるとよいと考えます。

薬剤師のための薬物相互作用一覧

記事一覧

    

新規会員登録はこちら

ワンクリックアンケート

トンデモ医療の被害にあった患者を知っている?

当日人気記事TOP10(医師)

ホーム »  連載・特集 »  薬剤師のための薬物相互作用 »  薬物相互作用ポスター(2019年版)の使い方