"最重症の呼吸器疾患"にどう立ち向かう?
特発性肺線維症の急性増悪に対する治療
2019年03月18日 16:30
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研究の背景:生存期間中央値は3~4カ月以内
特発性肺線維症(IPF)の急性増悪(AE)は、呼吸器内科医が遭遇する最重症の呼吸器疾患であり、致死率は極めて高い。ひとたびAE-IPFを発症すると、その生存期間中央値は3~4カ月以内とされている(Am J Respir Crit Care Med 2016;194:265-275)。ステロイドパルス療法などを用いて集中治療を行わなければまず救命できないが、その治療エビデンスは限られているのが現状である。
極めて重症であることから、ランダム化比較試験を実施するに至らず、国際的なガイドラインでもステロイドパルス療法は弱い推奨にとどまる(Am J Respir Crit Care Med 2011;183:788-824)。トリガーの背景に免疫の暴走という見解もあり、ステロイドパルス療法にシクロホスファミド静注が併用されることがあるが、その追加的効果は長らく不明であった。
今回、後ろ向き研究ではあるものの、傾向スコアマッチングによりその有効性を検討した貴重な研究結果が報告された(Respirology 2019年2月25日オンライン版)。
特に膠原病が絡むようなケースでは、シクロホスファミドはよく併用されるが、AE-IPFに関してはまだ議論の余地がある。後ろ向きで比較対照のない探索的な研究(Eur Respir J 2011;38:1487-1489、Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis 2016 ;33:385-391)において有効性が評価されているものの、到底エビデンスがあると言える状況にない。
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