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平成と令和の医療を展望する 大石實

南多摩病院(東京都)内科

 2019年05月04日 06:00
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平成を彩った3大ニュース

1.遺伝子治療が鎌状赤血球症、血友病Bなどで成功

 遺伝子治療は米国で平成2年(1990年)に先天的免疫不全症であるアデノシンデアミナーゼ欠損症の患者に行われ、日本では平成7年(1995年)に重症複合型免疫不全症の小児に行われた。フランスで鎌状赤血球症の少年に遺伝子治療が行われ、その論文が平成29年(2017年)に発表された。鎌状赤血球症はβグロビン遺伝子の変異で起こる遺伝性疾患であり、患者から採取した造血幹細胞にレンチウイルスベクターを用いて抗鎌状赤血球化βグロビン遺伝子を導入し、それを患者に戻した。治療の15カ月後でも抗鎌状赤血球化βグロビンは高値で、鎌状赤血球クリーゼは再発しなくなり輸血は不要となった。また、米国で平成29年に血友病Bで遺伝子治療が成功した。

 遺伝子治療は遺伝子を患者の体内に入れて疾患を治療・予防するもので、βサラセミア、Leber先天性黒内障、筋ジストロフィー、急性間欠性ポルフィリン症などの遺伝疾患だけでなく、がん、エイズ、アルツハイマー病、糖尿病、慢性心不全、パーキンソン病、間欠性跛行、関節リウマチなどを対象に、世界で2,000以上の臨床試験が行われている。

 平成30年(2018年)に中国でクリスパー・キャスというゲノム編集技術を使って改変したヒト受精卵から、双子の女児が誕生した。エイズ感染を防ぐために遺伝子操作をしたとされるが、遺伝子操作の倫理的規制が課題となっており、日本ではヒト受精卵を遺伝子改変し母体に戻す臨床応用を防ぐ法規制が検討されている。

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