薬剤師から見た医療の平成と令和 岩月進
愛知県薬剤師会会長
2019年05月05日 06:00
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平成を彩った3大ニュース
1.医薬分業の進展
平成元年(1989年)時に全国平均で11.3%であったの医薬分業率は、平成29年度(2017年度)には72.8%まで伸びた。この30年間に処方箋枚数は、1億3,500万枚から8億枚に増加し、薬局数も約3万6,000軒から約5万9,000軒となった。医薬分業とは、言うまでもなく処方と調剤の分離であり、その本質は、医師と薬剤師のクロスチェックによる処方の監査にある。
疑義照会率は2~3%程度と各種調査の結果が発表されている。疑義照会による処方変更により適正な薬物治療が実施されたことはもとより、全ての処方箋に対して処方医とは異なる薬剤師の目線での監査が実現したことは、薬物治療の安全性と品質向上という観点から評価されるべきであろう。
また、処方箋の交付は医師による薬物治療の内容を開示し患者が医薬品名を知る手段となった。インターネットなどによる医薬品情報収集の容易化と相まって、患者自身が薬物治療に関心を持てるようになった点も小さくない効果であった。さらに、薬剤師による服薬指導の実施を通じて、患者と薬剤師間での処方内容に関する情報交換が進んだことも見逃せない。
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