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軽症喘息にはシムビコート一択か

 2019年06月11日 05:15
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研究の背景:軽症喘息の臨床試験は乏しい

 喘息の臨床試験といえば、最近は重症喘息のものばかりであり、生物学的製剤に目が行きがちな現状がある。しかし、プライマリケアで遭遇する喘息は軽症~中等症であり、実臨床に根差したデータが欲しいというアンメットニーズがある。

 ここで軽症喘息(mild asthma)とは何か定義を明確にしておこう。最新のGINA(Global Initiative for Asthma)ガイドラインでは、ステップ1~2相当と定義されている。注意したいのは、日本のガイドライン(『喘息予防・管理ガイドライン2018』)におけるステップとは異なり、米国の治療ステップは5段階に分けられていることである。GINAのステップ1~2というのは、日本の治療ステップ1に相当し、基本的に定期的な吸入ステロイド(ICS)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)配合剤が不要な状態を指す。

 現在のGINAガイドラインでは、ステップ1はICS/LABA配合剤であるブデソニド/ホルモテロール(商品名シムビコート)の頓用あるいはICS定期が推奨され、ステップ2ではさらにロイコトリエン受容体拮抗薬がオプションに加わる。発作時の治療はいずれもシムビコート頓用あるいは短時間作用性β2刺激薬(SABA)頓用となる。

 SMART(Symbicort Maintenance and Reliever Therapy)療法という用語があるが、これはシムビコートを維持療法と発作時治療の両方で用いるものであり、今回の論文を読むに当たり、SMART療法の概要については知っておく必要がある。

SMART療法(Thorax 2010;65: 747-752

 発作時にシムビコートを1回追加吸入すること。ただし、定期吸入と合計して1 日8 吸入を超えないようにする。一時的に1 日合計12 吸入まで増量可能

・定期吸入が1 日2 吸入の場合:発作時6 吸入まで(合計8 吸入まで可能)

・定期吸入が1 日4 吸入の場合:発作時4 吸入まで(合計8 吸入まで可能)

 低用量であってもICSを全く定期導入しなくてもよい喘息患者というのは確かに存在するのだが、このフェーズは非常に診断が難しい。発作を起こしてある程度発作時治療が必要になるGINA治療ステップ3以上、日本の治療ステップ2以上の患者が多数を占める。もっと診断の裾野が広がって、あらゆる呼吸器症状に対して気道過敏性検査や気道可逆性検査が実施できればよいのだが。

 今回紹介するのは、軽症喘息におけるシムビコートでの管理がいかに有効かということを示したものである(N Engl J Med 2019年5月19日オンライン版)。なお、この研究はアストラゼネカの資金提供を受けている点に注意したい。

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