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小児の気管支喘息は治るのか?

 2019年07月08日 19:28
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研究の背景:小児気管支喘息に3つのフェノタイプ

 「小児喘息は成長するにつれて治る」。よく言われるフレーズかもしれない。ただ最近、「思った以上に小児喘息は治らないのかもしれない」という報告も多い。

 その例として、小児気管支喘息の予後を検討した有名なメルボルン研究が挙げられる。

 同研究では、7歳時点で小児喘息だった患者484人を長期間追跡しているが、最近、50歳まで追跡できた346人のうち、7歳時点で軽症喘息様気管支炎(感染を伴う喘鳴が5エピソード未満) であった77人、喘息様気管支炎(感染を伴う喘鳴が5エピソード以上) であった50人、喘息(気道感染症を伴わない喘鳴)であった81人、重症喘息(3歳未満で発症し10歳までの2年間に少なくとも10回以上発作があり、10歳でも持続した症状がある) であった60人に関する喘息の寛解状況を検討、報告している(J Allergy Clin Immunol 2014; 133: 1572-1578.e3

 報告によると、50歳で喘息が寛解していたのは、7歳で喘息様気管支炎だった群で64%、喘息だった群で47%、重症喘息だった群で15%だった。すなわち、7歳時点で重症であった小児気管支喘息患者の大多数は半世紀後も喘息が治っていないということである。

 では、「小児の気管支喘息は治りやすい」と思われがちなのはなぜだろうか。私は、同疾患にフェノタイプがあることが一因なのではないかと考える。

 Martinezらが米・アリゾナ州ツーソンで実施した826人に対するコホート試験で示した小児気管支喘息のフェノタイプ分類はよく知られており、『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017』に引用されている。具体的には、一過性初期喘鳴群(transient early wheezers)、非アトピー型喘鳴群(non-atopic wheezers)、IgE関連喘鳴/喘息群(IgE-associated wheeze/asthma)の3つのフェノタイプが紹介されている(図1)。

図1. 小児気管支喘息のフェノタイプ

23746_fig01.png

(『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017』)

 Martinezらは、対象の826人中①喘鳴なしが51.5%②一過性初期喘鳴群が19.9%③非アトピー型喘鳴群が15.0%④IgE関連喘鳴/喘息群が13.7%-と報告している(N Engl J Med 1995; 332:133-138)。

 そのうち、低年齢における一過性初期喘鳴群の存在が、一般に「小児喘息は治りやすい」と認識させているように思われる。すなわち、一過性初期喘鳴群の大部分、非アトピー型喘鳴群の多くが「治っていく」ことが、こうした認識が広まる原因といえるのではないだろうか。

 一方、学童期まで持続した喘息が成人まで持続するかどうか、その予後に関わる因子は何か、というのも気になる点である。

 そこで最近報告された、学童期の気管支喘息の予後に関する検討をご紹介したい(J Allergy Clin Immunol 2019; 143: 1752-1759.e6)。

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