ダビガトランでもアスピリンに対する優越性示せず

ESUS患者に対する脳卒中再発予防:RE-SPECT ESUS試験

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研究の背景:リバーロキサバンのアスピリンに対する優越性は示されていない

 脳梗塞は、ラクナ梗塞、アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳塞栓症、その他の脳梗塞(特殊な原因の脳梗塞)に分類されるが、これらに分類できない潜因性脳梗塞(cryptogenic stroke)が20〜30%程度を占めるといわれている。潜因性脳梗塞のほとんどは塞栓源不明脳塞栓症(embolic stroke of undetermined source:ESUS)である(Lancet Neurol 2014; 13: 429-438)。臨床の現場では、潜因性脳梗塞やESUSの再発予防に抗血小板薬または抗凝固薬のいずれを選択するかについて、悩むことが多い。それは潜在性心房細動を見落としていた場合、抗血小板薬では再発が予防できないからである。

 ESUSを対象にXa阻害薬のリバーロキサバンがアスピリンより再発を減らすことができるかどうか、その有効性と安全性について31カ国459施設でイベント駆動型第Ⅲ相国際共同ランダム化比較試験NAVIGATE ESUSが行われたものの、アスピリンに対するリバーロキサバンの優越性を示すことはできなかった(N Engl J Med 2018; 378: 2191-2201)。

 今回、ESUS患者を対象に脳卒中再発予防におけるダビガトランのアスピリンに対する優越性を検討する多施設二重盲検ランダム化比較試験RE-SPECT ESUSが行われた(N Engl J Med 2019; 380: 1906-1917)。

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