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言葉の全力投球が表した「他者と共に生きる」

 2019年09月28日 05:00
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 『急に具合が悪くなる』宮野真生子・磯野真穂著、四六判、256ページ、1,600円+税、晶文社

 がんの転移を経験しながら生き抜いた哲学者・宮野真生子氏と臨床現場の調査を積み重ねた人類学者・磯野真穂氏(関連記事:HPVワクチンの「信頼」はどこで挫かれたかー医療人類学者の立場から)の間で交わされる「病」をめぐる言葉の全力投球。死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えること。20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡をまとめた一冊。

 人は誰もが、偶然性と不確実性に満ちた見えない未来に立ち向かって生きている。宮野氏は偶然性、磯野氏は不確実性をそれぞれの専門領域で探求してきた。その2氏が、宮野氏の「急に具合が悪くなるかもしれない」というがん悪化の告白を契機に、避けられない死が次第に近づく中、互いに言葉を交わしながら深掘りしていく先に見えたものは、新しい始まりに満ちた世界の広がりだった。

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