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解説:肺指定難病への新治療法の実用化が見えた

中田 光(新潟大学医歯学総合病院臨床研究推進センター部長・教授)

 2019年09月30日 05:05
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 自己免疫性肺胞蛋白症は末梢気道に過剰なサーファクタントが貯留し、徐々に呼吸不全が進行する希少肺難病である。本邦には3,300人の患者がおり、壮年の男性に多く、難治例は呼吸不全や感染症で亡くなる場合もある。同症は国の指定難病となっている。〔関連記事:肺の指定難病に新たなサイトカイン吸入療法

 最初の報告以来、40年間原因不明だったが、1998年、われわれは東京大学医科学研究所で、特発性肺胞蛋白症の原因が抗GM-CSF自己抗体であることを突き止め、自己免疫性肺胞蛋白症と呼ぶことを提唱し、血清自己抗体を検出する血清診断法を開発して特許に結び付けた。  

 一方では、治療は、全身麻酔下にダブルルーメンの挿管チューブを用いて、片肺ずつ20~30Lの生理食塩水で洗浄するという全肺洗浄法が標準となっている。入院を要する上に、心肺機能不全があると実施できないし、術後肺炎の合併がある。

 抗GM-CSF自己抗体の発見以来、GM-CSFを吸入で肺胞まで到達させ、自己抗体を凌駕させると、未分化のマクロファージが成熟し、サーファクタントの分解が促進されて呼吸不全が改善するのではないかと考えられるようになった。

 2000年12月に最初の治療が東北大学の貫和教授、田澤助手らによって行われた。ほとんど寝たきりだった40歳代の女性は、社会復帰できるまで劇的に回復した。次いで、東北大学、近畿中央胸部疾患センターで行われた2例も改善した。われわれは、厚生労働科学研究費を得て全国7施設から成る早期Ⅱ相試験の研究班を立ち上げ、次いで2004年からは、文部科学省の特別推進経費を得てⅡ相試験を行った。一方、製薬企業と実用化のための薬事承認申請について話し合ったが、2012年までの12年間に5社も製造販売権が移り、交渉が進んだかと思うと売却されるという徒労が繰り返された。

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