2型糖尿病、世界最新の総説
西伊豆健育会病院病院長 仲田 和正
2020年01月29日 15:30
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上野勝則先生から2型糖尿病の総説をご紹介いただきました。Ann Intern Med(2019; 171: ITC65-ITC80)の総説です。この数年の糖尿病の最新知識が素晴らしくまとまっており、また主要なランダム化比較試験(RCT)を網羅していて重要ポイントのおさらいに役立ちます。
「2型糖尿病総説(Ann Intern Med)」最重要点は下記14です。
- 2型DMの第一選択薬はメトホルミン。体重減らし低血糖起こさぬ
- 中等度腎不全に使えるのはトラゼンタ、シュアポスト、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬
- 2型DMの第二選択薬はSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬
- SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬は心血管・腎障害を低下させる
- 45歳以上で1回/3年の糖尿病検診推奨。有リスク者は45歳未満でも推奨
- DM症状に黒色表皮腫も。DM診断はHbA1c≧6.5 or FPG≧126mg/dL or 食後BG≧200mg/dL
- 初期評価は心血管、神経、皮膚、足。BG、HbA1c、Tch、Cr、尿微量alb/Cr、肝機能、眼底
- 前糖尿病で運動150分/週、ダイエットで体重を5~7%減らせ!コレステロール減らせ!
- 地中海食(全粒穀物、野菜、豆、オリーブ油、魚、鶏肉)取れ。赤い肉・砂糖飲料避けよ
- HbA1c<7.0で微小血管障害に効果出るのに15~20年かかる。老人は8.0以下で十分
- 治療はまず6~8週ダイエット+運動、HbA1c低下なければ薬剤開始
- αグルコシダーゼ阻害薬、速効型インスリン分泌促進薬は食前投与。食事不規則患者に
- インスリン初期量0.1~0.2U/kg。2型DMでは3回/日以上は普通不要
- 血圧130/80mmHg or 140/90以下。腎のためACE-IかARB使用多い。眼底1~3年毎
- 糖尿病性神経障害に三環系抗うつ薬、サインバルタ、テグレトール、ガパペン、リリカ有効
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