〔編集部から〕この連載では、国際医学生連盟 日本(IFMSA-Japan)のザンビア・ブリッジ企画の活動を追っている。活動とは、ザンビア共和国の無医村・マケニ村にヘルスポスト(診療所)を建設し、医療を根付かせる取り組みだ。同企画の代表・宮地貴士氏(秋田大学医学部)はザンビアでの活動に腰を据えるべく、昨年(2019年)6月から当地に長期滞在している。 Normal 0 0 2 false false false EN-US JA X-NONE /* Style Definitions */ table.MsoNormalTable {mso-style-name:標準の表; mso-tstyle-rowband-size:0; mso-tstyle-colband-size:0; mso-style-noshow:yes; mso-style-priority:99; mso-style-parent:""; mso-padding-alt:0mm 5.4pt 0mm 5.4pt; mso-para-margin:0mm; mso-para-margin-bottom:.0001pt; mso-pagination:widow-orphan; font-size:10.5pt; mso-bidi-font-size:11.0pt; font-family:"游明朝",serif; mso-ascii-font-family:游明朝; mso-ascii-theme-font:minor-latin; mso-fareast-font-family:游明朝; mso-fareast-theme-font:minor-fareast; mso-hansi-font-family:游明朝; mso-hansi-theme-font:minor-latin; mso-font-kerning:1.0pt;} 「この村には教育と医療が必要なんだ」 前回はマケニ村で本当に診療所が必要なのか、住民と膝を突き合わせて話し合った6カ月間の軌跡を紹介した(関連記事「僻地でのハコモノ建設がダメな理由」)。最終的には診療所の建設再開を決意したが、そこから得た教訓は"ハコモノよりもワカモノ"に投資することだ。今回は、そう考え始めた結果、訪れた奇跡をご紹介したい。 「優秀な男の子がいる」。マケニ村のヘルスボランティアからそう聞いたのは、私が初めて村を訪れた2017年3月のことだ。彼の名前は、ボーティン。私と同い年で、当時20歳だった。だが、そのころの私心は、"村の医療""診療所の必要性"に執着しており、村の次世代を担うだろう彼と会うことはなかった。 昨年(2019年)の6月、初めて彼と会った。敬虔なクリスチャンであり、教会では若手のまとめ役。村を良くするためにはどうすれば良いか、本気で考えていた。「この村には教育と医療が必要なんだ。医療は人々の生活を支え、教育は村を成長させる。そして、村に変化をもたらすためには皆が協力する必要があるんだ」。 志が高いのと同時に、ものすごく謙虚だ。「村を一つにするためにはどうしたらいいのか。それに、そもそも村を良くするとはどういうことなのか。まだまだ分からないことがある。だから大学に行きたい」。