アビガンを連休明けに使用できる!
「期限付き(条件付き)早期承認制度」を使おう
東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩
2020年05月01日 11:58
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研究の背景:新型インフル用に備蓄されているアビガン
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として、ファビピラビル(商品名アビガン)が注目されている。
日本で開発された薬剤であり、2014年に富山化学工業がインフルエンザに対して製造販売承認を取得している。しかしながら、販売は開始されず、「他の薬剤が効かない新型インフルエンザと政府が判断した場合に、厚生労働省の要請を受けて製造を開始する」という特殊な承認となった。
その適応症は「新型または再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効または効果不十分なものに限る)」で、市販後の副作用データなどはない。富山化学としては、アテが外れたということになるが、その主たる理由は、動物実験において初期胚の致死および催奇形性が確認されたことである。したがって、添付文書においても、妊婦または妊娠している可能性のある女性には禁忌で、また精液中へ移行することから、男性に対しても避妊が義務付けられている。
2017年に厚労省は、新型インフルエンザの流行に備えファビピラビルを備蓄することを決めた。この備蓄しているファビピラビルの供給は「特定および第一種感染症指定医療機関または都道府県知事が指定する医療機関が依頼した場合」となっている。
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