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新型コロナ並みに重篤な電子たばこの肺傷害

米CDC 2,618例の検討

 2020年05月22日 05:00
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研究の背景:日本人も知っておくべき疾患概念EVALI

 電子たばこ関連肺傷害(e-cigarette, or vaping, product use-associated lung injury;EVALI)は、もはや世界的によく知られた疾患概念となった。日本では電子たばこに規制がかかっているため、EVALIに遭遇することはほとんどないが、世界的に問題となっているこの呼吸器疾患について知っておく必要があるだろう。

 紙巻きたばこを吸い続けることで、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの慢性呼吸器疾患や、心血管疾患イベントのリスクを上昇させることは周知の事実である。しかし、電子たばこは肺胞への「障害」がより少ないと信じている人も多い。電子たばこによる「肺傷害」が多発していることを受けて、EVALIという概念が提唱され、米疾病管理センター(CDC)主導で研究が進められている。

 ニューヨーク州のロチェスター大学において、両側肺炎で入院した患者のうち、電子たばこなどの使用がありEVALIが疑われた12例が報告され(Lancet Respir Med 2019:1017-1026)、注目を集めた。何が注目されたかというと、その肺炎の重篤性である。多くが致死的な低酸素血症を有しており、半数以上が集中治療室(ICU)に入室したのである。今でこそ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に話題を奪われた格好になっているが、最重症のCOVID-19と区別できないほどの肺炎である。

 注意してもらいたいのは、ヒートスティックを加熱して吸入する日本の加熱式たばこと、ここで述べる液体を吸入する電子たばこは別物であるということだ。加熱式たばこも決して勧められるものではないが、同一視してはいけない。後で補足するが、加熱式たばこでEVALIは起こらない。

 EVALIのLIは「Lung Injury」、すなわち肺傷害である。呼吸器内科医は「肺傷害」と「肺障害」を区別している。injuryやdamageは「傷害」である。肺胞上皮などが物理的にダメージ(傷害)を受けて、換気が「障害」される状態を指す(日本語が少しややこしい)。スパイロメトリーなどの生理学的所見や画像上の炎症像も含めた肺全般の機能障害のことは「肺障害」と呼ぶのが通例である。

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