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ウィズ借金の時代に消えてほしい薬

ロモソズマブの第Ⅲ相試験のメタ解析

東京脳神経センター 整形外科・脊椎外科部長 川口浩

 2020年08月04日 05:05
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研究の背景:市販後調査で重篤有害事象がさらに増加

 最近、世の中から消えてなくなってほしいものが多過ぎる。老化の前兆だと思う。

 まず、コロナに消えてほしい。でも、絶対に消えない。コロナ政策が「政府の方針ありき」で決定されて、お飾りに過ぎない「対策分科会」にも存在意義を感じない。ミエミエの「Go To 集票キャンペーン」くらいは止められなかったのか。そもそも、どうして医者が経済の心配をしなければならないのか。医者の仕事は「必要な患者のみを入院させて最善の治療を行なうこと」で、予防医療の仕事は「国民の健康被害の広がり」を予防することで、イコール「ウイルスの広がり」を予防することではないだろう。

 今「対策分科会」が議論すべきは、第2類指定感染症からの解除ではないのか。私のようなな素人には、そもそもパンデミックになる程度の致死率のウイルスに対して、6月以降も、SARS、MERS、鳥インフルエンザなどの強毒性ウイルスと同様の2類感染症指定を継続してきた科学的根拠が理解できない。今後も不適切な2類指定を続ければ、人為的な医療崩壊を引き起こしかねない。このウイルスは変異を続けていて、世界中で既に4,000近くの変異が確認されている。変異株の「感染性」と「毒性」に相関がないのは常識である。自然淘汰によって「感染性」の高い株だけは生き残るので、国内PCR陽性者の数が増えるのは当然である。

 一方、現在の国内の変異ウイルスの「毒性」については、第一波の時の欧米型より下がっていることは最近の重症化率、死亡率の低下から明らかだと思う。抗体検査で陽性者がきわめて少ないのは、そのほとんどが、獲得免疫を必要としない自然免疫で対抗可能なレベルにまで弱毒化している証拠ではないのか。また、特効薬はないが、医療現場の対症療法が上手になってきているのも事実だろう。

 さらに、厚生労働省が「期限付き早期承認」という言葉を使うのがそんなに嫌なら、米食品医薬品局(FDA)の「緊急使用許可(Emergency Use Authorization;EUA)」にならって未承認薬の使用許可、既承認薬の適応拡大を行って「攻撃」の武器を持てば、2類指定解除の大義の一助にもなるだろう。

 もちろん、政府や自治体が緊急事態宣言の再発令をチラつかし、メディアが陽性者数増加を騒ぎたてて、国民への脅迫、行動規制を続けて、感染爆発による健康被害の拡大を防ぐことは大前提である。その上で、コッソリと2類感染症指定から外して、科学的根拠とはかけ離れた法規制上のみの「無症状者・軽症者の無意味な入院・隔離」「医療現場の過度の負担」を止める時期ではないか。「緩やかな感染の広がり」を実現すれば、医療崩壊は防げる。医療資源さえ確保しておけば、重症化した患者さんは、従来のかぜの肺炎に準じた高レベルの医療を受けられるだろう。

 次に消えてほしいのは、ネット上の「匿名」コミュニケーションサイトである。「誹謗中傷、名誉棄損」コメントについては、最近、プロバイダ責任制限法が強化されて、総務省が投稿者の実名・住所の開示請求に対応してくれる。驚くべきは、一般SNS与太サイトと同レベルに、医師限定の医療サイトに「誹謗中傷、名誉棄損」のコメントを入れる医者がいることである。こうなると「品性・お育ち」の問題である。また、「誹謗中傷、名誉棄損」とまでは行かなくても、「批判・反論」を「匿名」でコメントする医者もいる。「匿名」の意見に「表現の自由」などあると思っているのか。 私自身は、たとえ匿名でも「批判・反論」は老化防止になるのでありがたく頂戴する。ただ、自分の名前を隠さないと反論もできない連中と、同じ国で同じ職業に就いていることが情けない。

 その次に消えてほしいのは、「神経障害性疼痛」でおなじみのα2δリガンド製剤(プレガバリン、ミロガバリン)であるが(関連記事「再び"神経障害性疼痛"を問う」)、こいつらはもうウザいのでどうでもいい。効能が実証されていないのを承知で処方している医者は、医療費の無駄遣いに協力すればいい。どうでもよくないのは、骨粗鬆症治療薬ロモソズマブ(商品名イベニティ)である。こっちは、「有効性」ではなく「安全性」の問題だからである。患者が死に続けて重い副作用に苦しんでいる。それでも誰も助けない。マジ消えてほしい。最近のアムジェンからの市販後1年間(2019年3月4日~2020年3月7日)の報告では、死亡43例、重症心血管系事象99例にまたまた膨れ上がっている。

 前回の市販後報告(2019年3月4日~11月7日)では、死亡25例、重症心血管系事象66例だったので、4カ月で死亡18例、重症心血管系事象33例の増加である。この加速度的な増加に対して、「産・官・学」のアムジェン、医薬品医療機器総合機構(PMDA)、日本骨粗鬆症学会は、なんの注意喚起もしないどころか因果関係さえも認めようとしない。アムジェンはこの情報を国内にとどめて国外に公表していない。代理で国際ジャーナルに公表してあげた私の好意(J Bone Miner Res 2020;35:994-995、関連記事「日本の悲劇を世界に広げない!」)に対して感謝の言葉もない

 薬害オンブズパースン会議も今年(2020年)5月5日にロモソズマブについての声明を出し、「承認審査の段階で既に示されていた危険性を軽視して、新しい作用機序の医薬品を、世界に先駆けて日本が承認することを急ぎ、加えて、市販前のシグナルを市販後の安全対策に生かさず、多数の死亡者を出したという点では、抗がん剤イレッサの例と同様」と明言している。

 ロモソズマブとゲフィチニブ(商品名イレッサ)の違いは、「薬害訴訟」の有無だけである。厚労省もメーカーも、薬害訴訟が起こると極度にビビる、起こらなければ患者が死に続けても知らん顔。患者を守る唯一の方法が「薬害訴訟」の国って、オワってると思いませんか。

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