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ドクターズアイ 山田悟(糖尿病) ドクターズアイ 山田悟(糖尿病)

「蛋白質摂取=腎機能低下」は常識でも誤謬かも

 2020年08月07日 05:05
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研究の背景:トーンダウンする蛋白質制限に対するガイドラインの推奨

 蛋白質摂取は腎機能を悪化させるという概念は広く知れ渡っており、糖尿病腎症をはじめ、慢性腎臓病(CKD)に蛋白質制限食を指導する臨床家は少なくない。

 実際、米国糖尿病学会(ADA)の食事療法に関する勧告・報告においては、1987年版から腎臓病患者に対する蛋白質制限の記載が始まり(Diabetes Care 1987; 10: 126-132)、2008年版における初期腎症0.8~1.0g/kg/日、後期腎症0.8g/kg/日という蛋白質制限の記載まで(Diabetes care 2008;31: S61-S78)、確かに長らく蛋白質制限が推奨されてきたという歴史がある。

 しかし、2013年版において蛋白質制限の臨床的意義を否定するようになり(Diabetes Care 2013; 36: 3821-3842)、それは2019年版にも引き継がれている(Diabetes Care 2019; 42: 731-754)。

 この変化は、ガイドラインにおいてコンセンサスガイドライン(専門家の合意によって推奨を決めるガイドライン)が禁止され、科学的根拠に基づいて作成されるもののみをガイドラインとするとした、ガイドライン国際ネットワーク(Ann Intern Med 2012; 156: 525-531)の決定を反映したものともいえ、科学的根拠のない(あるいは十分でない)蛋白質制限食は推奨から外されたのである。

 一方、わが国では今なお腎機能保護のための食事法として蛋白質制限食が推奨されている。ただし、日本糖尿病学会の蛋白質制限食に対するスタンスは「顕性腎症期以降において糖尿病(性)腎症の進行抑制に対して蛋白質制限は有効である可能性があるが、臨床的エビデンスは十分ではない」と弱気である(『糖尿病診療ガイドライン2019』p156)。すなわち、蛋白質摂取が腎機能を悪化させるとか、蛋白質制限食が腎機能を保護するという概念に対する科学的根拠はやはり十分ではないのである。

 そんな中、オーストラリア人女性を対象にしたコホート研究において、植物性蛋白質と限定されてはいるものの、蛋白質摂取が腎機能保護に関与していたという、これまでの常識とは真逆の研究結果が報告された(Nephrol Dial Transplant 2020年5月26日オンライン版)。蛋白質制限食不要論者である私としては、コホート研究とはいえど、「わが意を得たり」という気持ちを持ってご紹介したい。

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