ゲノム編集となぜか日本学術会議
遺伝子操作による理想社会は実現可能か
2020年10月29日 17:36
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研究の背景1:PCR法、モノクローナル抗体と並ぶ現代生命科学の三大発明
長引くコロナ禍の荒波をモロに被って海外出張ができない。業務はテレカンファで行っているが、米国相手のときは夜中や早朝にたたき起こされる。中国の場合は時差問題はないが、画像がやたらと乱れてなぜか途中で切れる。どちらも疲れる。無趣味のため、家で論文か新聞を読んでいる時間が増えた。家族に邪魔にされるとジョギングに出かける。
日本人はオリンピックとノーベル賞が大好きだと思う。しかし、いつから「社会の規範」を、スポーツ選手や芸能人に求めるようになったのか。法に触れるのはマズいが、それ以外の粗相で、傑出した才能を持っている人が不特定多数の他人から集団リンチを受けて、揚げ句は表現する場まで奪われてしまうのはどんなものか。家族と利害関係者にボコボコにされて勝手に奈落の底に落ちればよいだけの話である。あれだけの筋力があれば這い上がってこられるだろう。「社会の規範」は、宗教家、政治家、教育者に任せればいい。やっぱり日本では無理かなー?
この連載の私の担当は「整形外科」であるが、最近のトップジャーナルの論文はほとんどがコロナネタで、読者の先生方に興味を持っていただけるような整形外科のトピックスは皆無である。まあ、コロナ前もそうだったけど。
おかげでコロナに関する論文を随分と読んで、とても勉強になった。勢いでダニエル・デフォーの『ペストの記憶』を読んだが、すっかりハマった。しかし、経験上、私がここでコロナネタを書くと炎上する。担当の編集者にこれ以上迷惑をかけるのは本意ではない。その上、政府やお抱え専門家の出すコロナ対策は、なんでも「要請」で「強制」ではない。だから「補償」はしない。日本独特の「同調圧力」という形で強制されるのをあらかじめ計算している。こんなキタナい連中をこれ以上、相手にするのはウザい。
というわけで、今回は整形外科でもコロナでもない論文を紹介しようと思ったら、趣味のオタク世界に迷い込んでしまった。我慢して読んでいただけると幸いである。
今年(2020年)のノーベル化学賞を「ゲノム編集」技術を開発したジェニファー・ダウドナ氏とエマニュエル・シャルパンティエ氏の2人の女性科学者が受賞した。2012年に論文(Science 2012; 337: 816-821)が発表されてから世界中に広がった画期的な技術である。
私は当初から、この技術はPCR法、モノクローナル抗体と並ぶ、現代生命科学の三大発明だと確信してきた。特許をめぐる訴訟の影響と推察するが、遅過ぎる受賞という印象である。
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