Go To ...は感染拡大を助長する可能性が高い
2020年12月01日 05:00
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研究の背景:人の動きと感染拡大の関連をメタポピュレーション・モデルで
今回紹介するのは、米国の10大都市における人の動きと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の関連を検討したメタポピュレーションSEIRモデルの論文である。
メタポピュレーション・モデルとは、連続性のある時間における分離した空間モデルよりつくられた微分方程式のシステムのことらしい。
と、これだけではなんのことやらワケが分からんが、要はあちこちの場所を行き来する人の動きを微分方程式で記載したモデルということだ。これに、伝統的な感染症数理モデルであるSEIRモデルを加味して検討したのが、今回紹介する論文ということだ。SEIRモデルについては西浦・稲葉論文などをご参照いただきたいが、要は、あるコミュニティにおける個々人は感染していない状態(susceptible;S)、病原体感染潜伏期(exposed;E)、他者に感染させられる(主に)発症者(infectious;I)、回復者あるいは死者(recoverd or removed;R)の4つの状態のいずれかに分類でき、SからE、EからI、IからRに移行する、その動きを時系列で微分方程式によって描写すれば、ポピュレーション全体の感染ダイナミズムを記述できるというものである。感染症数理モデルのプロが読んだら叱られるかもしれないけれど、僕が咀嚼してコトバにすると、こんな感じだ。
西浦博・稲葉寿.感染症流行の予測:感染症数理モデルにおける定量的課題.統計数理 2006; 54: 461-480.
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