〔最新総説〕重症コロナの治療
西伊豆健育会病院病院長 仲田 和正
2021年01月06日 10:30
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N Engl J Med(2020; 383: 2451-2460)に「重症COVID-19」の総説がありました。
この数カ月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に有効な薬剤はデキサメタゾンとレムデシビルの2剤のみとされてきました。トランプ大統領もこの2つの薬と新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイク蛋白質に対する抗体を投与されています。現在2021年1月時点での世界の最大争点は「果たしてレムデシビルが有効か否か」です。 一方、肺病変は急性呼吸促迫症候群(ARDS)とほぼ同じなので肺保護換気(lung protective ventilation:1回換気量を少なく)とすることが確立されています。
N Engl J Med(2020; 383:2451-2460)総説「重症COVID-19」要点は下記11です。
- レムデシビル投与29日後死亡率27%改善、FDAで認可。しかしWHOのRCTで否定
- デキサメタゾン 6mg/日×7日で30日後死亡率17%低下、重症COVID-19の標準治療
- 肺保護換気:TV(4)6~8mL/kgで高CO2(pH7.2まで)可。PEEPと吸気終末プラトー圧も
- 重症は呼吸困難、呼吸数≧30、飽和度≦93%、PaO2/FiO2<300mmHgまたは浸潤影≧50%
- COVID-19は8割軽症、2割重症、死亡2~3%。リスクは高齢、男性、CVD、糖尿病、肥満、免疫不全
- エアロゾル発生手技は陰圧室で。重症で死亡率高いので代理人にACP、剖検の説明を
- 飽和度90~96%。HFNC可。NPPV不可。挿管はRSIで一発で。腹臥位は覚醒でも有効
- 低酸素時腹臥位考慮(16時間/日など)、rescueにECMO
- COVID-19で脱水多く輸液。低血圧はNE投与。反応(-)はAMI、心筋炎、肺塞栓考慮
- D-ダイマー上昇で死亡率上昇。重症は低分子ヘパリンを。免疫不全(-)なら細菌感染まれ
- 症例:あなたならどうする?
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