第9回:患者に余命を伝えるべきか
がん研究会有明病院 腫瘍精神科 部長 清水 研
2021年01月22日 14:10
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あなたは40歳代の男性がん患者Aさんの治療を担当していた。最初の化学療法が効果を示さなくなり、残る治療選択肢は限られてきていた。
ある日の診察で、Aさんは尋ねた。
Aさん:自分には、あとどのぐらい時間が残されているのですか...?
あなたは一瞬真実を伝えるべきか迷った。しかし、彼の毅然とした態度から、直感的に伝えた方がよいと感じた。そして、こう答えた。
あなた:個人差があるのではっきりしたことは言えないが、来年の桜は見られないと思う
Aさんは静かに涙ぐんだ。
Aさん:教えていただきありがとうございます。
そう言った後、Aさんは頭を下げた。
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