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ドクターズアイ 山田悟(糖尿病) ドクターズアイ 山田悟(糖尿病)

妊婦の食事療法に見直し迫る圧巻の総説

「妊娠中のケトン体産生は避けるべき」は本当か

 2021年06月07日 16:55
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研究の背景:妊娠中の糖代謝異常では1日最低175gの糖質摂取が推奨

 今年(2021年)4月、この連載でケトン体が長年の議論を経て、危険な物質ではなく、臓器保護物質だと見なされるようになったことをご紹介した(関連記事「ケトン体は味方だった!」)。では、妊婦に対してはどうなのであろうか。

 長らく、妊娠中の糖代謝異常に対しては、適切な体重増加とケトン体産生回避が求められ、1日最低175gの糖質摂取が推奨されてきた(J Clin Endocrinol Metab 2013; 98: 4227-4249)。その背景にあるのが、1991年に報告されたN Engl J Med1991: 325: 911-916)の論文である。妊娠第3期における母体のβヒドロキシ酪酸(ケトン体の一種)濃度が、2歳時点での児の知能指数(Stanford-Binet Score)と負の相関を示したというのである。

 このような状況に対して、わが国からも異論が出ていたことは以前にご紹介したが(関連記事「日本初"ケトン産生食"研究への苦言と期待」、その後も大きな変更は生じていない(Diabetes Care 2021; 44: S200-S210)。ただようやく、欧米でも異論が出始めたようであり、米国糖尿病学会(ADA)の機関誌に妊婦におけるケトン体の意味を見直す総説論文が掲載された(Diabetes Care 2021; 44: 280-289)。オーストラリア・クイーンズランド大学のTannerらのグループからの報告である。

 極めて慎重にしっかりと議論をなした上で、最後の結論は「"ケトン体は本当に問題なのであろうか"という質問に回答する質の高い研究が臨床家には必要である」としている。短絡的にケトン体は安全とはしない一方で、ケトン体は危険であるとも決め付けず、質の高い研究の必要性を述べている。ややもすると、わが国ではヒステリックな非科学的議論(すなわち、単なる口喧嘩)に流れがちなこの問題について、研究や議論の必要性を知らしめる重要な論文であると考え、ご紹介したい。

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