忘れたころにやってくる! 脳静脈血栓症

診断と管理のAHA科学的声明2024

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研究の背景:科学的声明が13年ぶりに改訂

 脳静脈血栓症(cerebral venous thrombosis:CVT)は、忘れたころにやってくる注意を要する疾患である。初期症状は頭痛が一般的で、そこで診断が付けられなければ、痙攣を来す他、脳出血により致死的な経過を辿ることもあり、早期にしっかり疑う必要がある。

 米国心臓協会(AHA)は2011年に科学的声明「脳静脈血栓症の診断と管理」を発出したが、今回13年ぶりに改訂された。最新情報が提供されているので紹介する(Stroke 2024; 55: e77-e90)。

 欧州脳卒中機構(ESO)は2017年に、ガイドライン『脳静脈血栓症の診断と治療』を出しているが、このGRADE質問に基づいて、オーストリア、ドイツ、スイスの専門家らのコンセンサスを得て、ドイツではコンセンサスガイドラインの新しい推奨が2024年に出された(Neurol Res Pract 2024; 6: 23)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

済生会熊本病院脳卒中センター特別顧問。1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科、2022年より現職。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中で多彩な活動を行っている。日本脳卒中学会名誉会員、日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

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