<第9回>高齢者カンファレンスの「落とし穴」に陥らない!

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

症例:88歳女性

 認知機能は比較的保たれていますが,腰痛のため足腰が弱くヘルパーさんの援助で一人暮らしを続けています。ある日,本人を囲んでケアカンファレンスが開催され,遠方から参加された娘さんの提案で施設入所の方針となりました...

カンファレンスが良いケアに結び付くとは限らない

 認知機能や日常生活動作(ADL)が低下した"臨床的な高齢者"(第1回参照)に関するさまざまな臨床問題については,医師のみで解決できることは少なく,介護保険サービスにおけるケアカンファレンス(サービス担当者会議)をはじめ,本人や家族とともに,多(他)職種も含めたカンファレンスが不可欠です。カンファレンスなど集団の話し合いではメンバーの相互作用(グループダイナミクス)が生じ有用な面がありますが,その結論が必ずしも本人のより良いケアに結び付くとは限らないことに留意が必要です。カンファレンスにはさまざまなピットホールがあり,本稿では高齢者に関するカンファレンスをどう行うかについて考えます。

木村琢磨先生

木村 琢磨(きむら・たくま)

北里大学医学部総合診療医学・地域総合医療学准教授,北里大学東病院 在宅・緩和支援センター長。

長野県生まれ。東邦大学医学部卒業,国立東京第二病院(現国立病院機構東京医療センター)で初期研修,国立病院東京医療センター総合診療科で後期研修,国立病院機構東埼玉病院総合診療科などを経て現職。

高齢者の臨床は「さまざまな症候・疾患への対応」「専門診療科への適切なコンサルテーション」「家族」「地域」を念頭に置く,「多職種との恊働」「継続性」を踏まえるなど総合診療医の持ち味を生かせる,やりがいのある領域であると考えています。本連載では,高齢者の臨床について横断的に考えていきたいと思っておりますので,先生方からの忌憚ないご意見をお待ちしております。

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