新telemedicineで急性期脳卒中患者の転帰を改善

血栓溶解療法における新規脳卒中遠隔医療プログラム

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研究の背景:HelsinkiモデルとtelestrokeにDTN時間短縮効果

 脳梗塞急性期治療では、アルテプラーゼ(遺伝子組み換え組織型プラスミノーゲン・アクチベータ:rt-PA)の投与が早ければ早いほど転帰が良好な症例が増加する。来院からアルテプラーゼ静注開始(door-to-needle; DTN)までの時間を短縮するために、米国心臓協会(AHA)/米国脳卒中協会(ASA)が導入した施設認定プログラムTarget:Stroke initiativeでは、DTN時間60分以内の患者の割合が75%以上、DTN時間45分以内の患者の割合が50%以上を達成している一次脳卒中センターに対し最も高い認証が授与されている。

 DTN時間の短縮には、Helsinkiモデル(救急隊が病院到着前に患者の情報を病院に通報し、患者の神経学的評価後に直接CT検査を行うなどの合理化によりDTN時間の中央値20分まで短縮したフィンランド・ヘルシンキ大学のシステム)やtelestroke(脳卒中遠隔医療)などが効果を示している。

 米・カリフォルニア州北部全域の医療を担う単一の医療提供グループKaiser Permanente North California(KPNC)は、2015年に同組織に所属する21病院の脳卒中センターにおける急性期脳卒中のワークフローを再構築して、修正Helsinkiモデル単一で標準化されたバージョンに従い、telestroke専任神経内科医が全ての緊急脳卒中症例を管理するKaiser Permanente Northern California's Stroke EXpediting the PRrocess of Evaluating and Stopping Stroke(EXPRESS)プログラムを導入した。今回取り上げた論文ではその効果を検討している(Stroke 2018; 49: 133-139)。

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