CKDへの蛋白質制限食、躊躇すべきでは? N Engl J Med誌のDebateから 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:推奨する学会と否定する学会がある これまで何度か、蛋白質制限食の慢性腎臓病(CKD)に対する無効性もしくは有害性について、Doctor's Eyeで取り上げてきた(関連記事「"蛋白質摂取=腎機能低下"は常識でも誤謬かも」「蛋白質制限は患者に害をなす医療?」)。実際、米国糖尿病学会(ADA)は2013年の時点で、蛋白質制限食は腎機能にも心血管疾患にも血糖にも無効であり、糖尿病性腎臓病(DKD)患者でも一般人と同様の蛋白質摂取でよいとしており(Diabetes Care 2013; 36: 3821-3842)、それは2019年の時点でも踏襲されている(Diabetes Care 2019; 42: 731-754)。 一方、Kidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)やKidney Disease Outcomes Quality Initiative(KDOQI)は2020年代になっても蛋白質制限を捨てず、前者はCKDに対して体重1kg当たり0.8g/kg/日の蛋白質制限を弱く推奨している(recommendではなくsuggest、Kidney Int 2020; 98: S1-S115 、Kidney Int 2022; 102: S1-S127)。後者は0.55~0.60g/kg/日の蛋白質制限食を推奨している(Am J Kidney Dis 2020; 76: S1-S107)。〔末尾に山田悟氏による2024年4月19日付け補足説明を掲載〕 このように、CKDへの蛋白質制限食については、その有効性を推奨(正確には提案であるが)する学会と否定する学会が混在しているのが現状である。 わが国では、日本腎臓学会は2023年版の『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン』において蛋白質制限食を中程度の確信をもって(B)、強く(1)推奨している(p87-89)。 そんな中、今年(2024年)の年明けのN Engl J Med誌で、CKDに対する蛋白質制限食をめぐるDebateが展開された。読者の先生方の臨床判断に有用であると考え、ご紹介したい(N Engl J Med 2024; 390: 86-89)。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×