希少疾患の1つで、輸送蛋白質トランスサイレチン(TTR)が心臓などに沈着することで引き起こされるトランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)。かつて有効な治療方法がなかったが、診断技術の向上と疾患修飾薬の登場により治療環境は大きく改善している。他方、海外の研究では左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)の14%がATTR-CMだったとの報告があり、日本でも診断されていない潜在患者は5万人を超えると推定されている。そこで今回、慶應義塾大学循環器内科専任講師の遠藤仁氏にATTR-CMの治療の現状や、非専門医が早期に専門医につなげるポイントについて聞いた(関連記事「PMDAが心アミロイドーシス薬の試験に要望」「心アミロイドーシス、医療格差解消の糸口は」)。