次世代の抗凝固薬「第Ⅺ/Ⅺa因子阻害薬」はどうなった?

Abelacimabの第Ⅱb相臨床試験AZALEA-TIMI 71

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研究の背景:次世代の抗凝固薬が待ち望まれていた

 2010年代前半に直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)が登場して、心房細動患者における脳梗塞や全身性塞栓症の発症予防・再発予防が大きく変わった。DOACは、ワルファリンと比べ薬物相互作用が少なく、モニタリングの必要がない。また、イベント発生率が同等あるいは低く、頭蓋内出血が半減する。ただし、消化管出血などの問題が残った。

 こうした背景から、出血合併症がさらに少ない次世代の抗凝固薬の登場が待ち望まれていた。そこで、DOACの次に注目されたのが第Ⅺ/Ⅺa因子阻害薬である。

 abelacimabは、不活性型の凝固第XI因子に結合し、その活性化をブロックする完全ヒトモノクローナル抗体である。心房細動患者における同薬の安全性を、リバーロキサバンと比較した第Ⅱb相臨床試験AZALEA-TIMI 71の結果が発表されたので紹介する(N Engl J Med 2025; 392: 361-371)。

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