米・バイデン政権、遺伝学者ランダー氏登用

公益財団法人痛風・尿酸財団理事 鎌谷直之

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 ジョー・バイデン米大統領は、エリック・ランダー氏を大統領科学顧問兼科学技術政策局(OSTP)の局長に選出した。上院議会で承認されれば、同氏はバイデン政権のメンバーとしての役割を果たすことになる。多くの科学者は長い間、OSTP局長を閣僚級の地位に昇格させるよう要望してきたが、それがかなえられる見通しとなった。また、米国立衛生研究所(NIH)所長のフランシス・コリンズ氏は現職にとどまるという。

 両者ともゲノム研究に多大な功績があった遺伝学研究者だが、コリンズ氏が囊胞性線維症の原因遺伝子の発見という具体的で分かりやすい業績があるのに対し、ランダー氏の研究は、数学を基礎にした極めて難解なものであるため、ここで緊急解説したい。

鎌谷直之(かまたに なおゆき)

公益財団法人痛風・尿酸財団理事、株式会社スタージェン会長

1973年東京大学医学部を卒業し、東京大学附属病院、日立製作所日立総合病院、東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターなどで臨床医、研究者として膠原病、関節リウマチ、痛風、遺伝代謝病などの診療、教育、研究に当たる。

1979年4月から1982年3月まで米国カリフォルニア州スクリプス研究所に研究員として勤務し、抗白血病薬クラドリビンの開発に至った論文を発表、世界最初のがん抑制遺伝子MTAPの発見、MTAP欠損をターゲットにしたがんの個別化治療法の開発などを行った。

1998年から2008年まで東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター・センター長を務め、関節リウマチのコホートIORRA研究の指導、ゲノム薬理学に関する臨床研究、新しい高尿酸血症・痛風治療薬フェブキソスタットの臨床開発などを行う。

1989年4月から1990年3月まで米国ミシガン大学内科客員教授を務める。

2010年4月から2011年12月まで理化学研究所ゲノム医科学研究センター・センター長を務め、さまざまな疾患のゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。これまでに600以上の論文を発表。

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