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第65回日本糖尿病学会

インスリン抵抗症、疑うときはここを見ろ!

 インスリン抵抗症はインスリン受容体機能の障害により高度のインスリン作用低下を呈する疾患で、日本では1996年にインスリン受容体異常症A型およびB型として診断基準がまとめられた。しかし20年以上改訂が行われず、現状にそぐわない部分も出てきたことから、昨年(2021年)診断の新基準が発表された。神戸大学大学院糖尿病・内分泌内科学部門准教授の廣田勇士氏は第65回日本糖尿病学会(5月12~14日)で、新診断基準を検討する契機となった診療実態調査について解説した上で、新たな疾患分類や診断基準の要点を説明。A型インスリン抵抗症では...

GIP/GLP-1受容体作動薬、単剤・併用で有効

 グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)およびグルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬tirzepatide(TZP)は、現在日本などで承認申請中の新クラス2型糖尿病治療薬である。京都大学大学院糖尿病・内分泌・栄養内科学教授の稲垣暢也氏と九州大学大学院病態制御内科学教授の小川佳宏氏は、日本人2型糖尿病患者を対象に同薬の有効性と安全性を評価する第Ⅲ相試験SURPASS J-monoおよびSURPASS J-comboの結果を第65回日本糖尿病学会(5月12~14日)で発表。TZPの単剤療法および併用療法のいずれも、血糖コントロールの改善や体重減少などが認められ、...

内分泌疾患を発見するポイントを徹底解説!

 糖尿病における耐糖能障害の原因として内分泌疾患が潜在しているケースがあり、その的確な抽出と診断は患者の予後やQOLの改善に大きく寄与する。しかし、内分泌疾患の合併はまれであることから糖尿病患者全例へのスクリーニングは推奨できず、見逃しを防ぐには疾患を特定するための特徴や症状を熟知することが重要である。神戸大学病院糖尿病・内分泌内科講師の福岡秀規氏は第65回日本糖尿病学会(5月12~14日)で、二次性糖尿病を呈する内分泌疾患のうちから褐色細胞腫、先端巨大症、クッシング症候群について...

新規配合注射薬、実臨床で2型糖尿病に有効

 持効型溶解インスリン製剤インスリン グラルギンとGLP-1受容体作動薬リキシセナチドの配合注射薬(商品名ソリクア、以下、iGlarLixi)が日本で発売されてから約2年。これまでに、経口血糖降下薬(OAD)投与による効果が不十分な日本人2型糖尿病患者を対象とした複数の第Ⅲ相ランダム化比較試験(RCT)において有効性や安全性が報告されているものの、臨床現場での知見は限られている。横浜市立大学大学院分子内分泌・糖尿病内科学教授の寺内康夫氏と北海道大学大学院糖尿病・肥満病態治療学分野教授の三好秀明氏は、実臨下におけるiGlarLixiの有効性と安全性を評価する多施設共同観察研究SPARTA Japanの結果を...

入院時血糖状態がコロナ患者の予後に影響

 糖尿病は、ウイルス性の上気道感染や肺炎の一部などで、重症化など重大な転帰の危険因子となることが知られている。では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)においても糖尿病は重症化の危険因子となるのか。国立国際医療研究センター糖尿病情報センター長の大杉満氏は、これまでに報告された糖尿病の有無や入院時の血糖コントロール状態・血糖値、BMIなどがCOVID-19患者に及ぼす影響についての研究結果を...

低血糖はCGMと治療薬適正化で予防を

 高齢糖尿病患者では、重症低血糖を発症すると転倒・骨折、認知症、心血管疾患のリスクが上昇するなどの課題がある。徳島大学先端酵素学研究所糖尿病臨床・研究開発センターセンター長の松久宗英氏は、高齢糖尿病患者の低血糖における重症化の病態、対策について第65回日本糖尿病学会(5月12~14日)で講演。「高齢糖尿病患者では、加齢に伴う腎機能、認知機能の低下、インスリン・SU薬の使用などにより低血糖が重症化すると、健康寿命・寿命の短縮につながるため、持続グルコースモニター(CGM)と治療薬の適正化により低血糖を予防することが重要だ」と...

「糖尿病を持つ人」へのスティグマ対策に注力

 日本糖尿病学会理事長の植木浩二郎氏(国立国際医療研究センター糖尿病研究センターセンター長)は、第65回日本糖尿病学会(5月12~14日)において理事長声明を発表し、同学会のさまざまな取り組みについて報告した。同学会の活動は診療・研究面だけでなく、社会的使命も担っている。同氏が特に問題視したのは、糖尿病患者(糖尿病を持つ人)がスティグマにさらされたり、社会的不利益を被ったりしている現状で、それらを取り除くためのアドボカシー活動に...

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