どうする? IPF急性増悪のステロイド
パルス vs. 非パルス療法
研究の背景:エビデンスが少ない予後不良疾患
特発性肺線維症(IPF)の急性増悪による死亡率は高く、生存期間の中央値は3~4カ月と予後不良の疾患である(Lancet Respir Med 2022; 10: 26-34、Am J Respir Crit Care Med 2020; 201: 1110-1119)。
加えて、エビデンスが確立されている有効な治療選択肢が乏しいという現状がある。国際ガイドラインでは、IPF急性増悪時における全身性ステロイドの使用を弱く推奨している(Am J Respir Crit Care Med 2011; 183: 788-824、Am J Respir Crit Care Med 2015; 192: e3-e19)。日本の『特発性肺線維症の治療ガイドライン2023(改訂第2版)』では、「IPF急性増悪患者に対してパルス療法を含めたステロイド療法を行うことを提案するが、一部の患者にはこの治療法が合理的な選択肢でない可能性がある」と書かれてあり、エビデンスレベルはD(非常に低い)である(関連記事「特発性肺線維症ガイドラインを6年ぶり改訂」)。
いまだランダム化比較試験(RCT)のデータがない疾患であり、急性増悪時の全身性ステロイドの用法・用量は施設や地域ごとに異なる。「あの病院は〇〇派、うちは××派」のような感じである。そのため、もう少し丁寧な議論を積み重ねる必要があることはいうまでもない。
今回は、この問題に関連する最近発表された後ろ向き観察研究を紹介させていただきたい(Respirology 2023年12月12日オンライン版)。
全文を読むにはログインが必要です
ログインして全文を読む
無料でいますぐ
会員登録を行う
- ご利用無料、14.5万人の医師が利用
- 医学・医療の最新ニュースを毎日お届け
- ギフト券に交換可能なポイントプログラム
- 独自の特集・連載、学会レポートなど充実のコンテンツ
\ 60秒でかんたん登録 /
会員登録
倉原 優 (くらはら ゆう)
国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科医師。2006年、滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院での初期研修を修了後、2008年から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本感染症学会感染症専門医、インフェクションコントロールドクター、音楽療法士。自身のブログで論文の和訳やエッセイを執筆(ブログ「呼吸器内科医」)。著書に『呼吸器の薬の考え方、使い方』、『COPDの教科書』、『気管支喘息バイブル』、『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、『ポケット呼吸器診療』(毎年改訂)など。










