発症3日以内でもリバーロキサバン開始可能

急性期脳梗塞に対する早期抗凝固療法-RELAXED研究

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:非弁膜症性心房細動を伴う急性期脳梗塞/一過性脳虚血発作における早期抗凝固療法の有効性は不明

 心原性脳塞栓症の二次予防として抗凝固薬をいつから開始するかは30年以上にわたって議論され、ベネフィットとリスクのバランスの中で変化してきた。実際にどのように抗凝固療法を行うかは地域、病院、あるいは医師によって大きく異なる。

 心原性脳塞栓症急性期にワルファリンや直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulants; DOAC)を用いることで発症後早期の脳梗塞再発が減ると考えられる一方、同時期に多い出血性梗塞の悪化が懸念される。わが国のガイドラインでは「2週間以内の開始」が推奨されており、欧州では「1-3-6-12 day rule」(Eur Heart J 2018 ; 39: 1330-1393)が提唱されているが、いずれもエビデンスに基づくものではない。

 また、これまでのところ非弁膜症性心房細動(NVAF)を伴う急性期脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)に対する早期抗凝固療法の有効性は不明のままである。RELAXED研究は、DOACであるリバーロキサバンを開始したNVAFを伴う急性期脳梗塞/TIA患者における再発性脳梗塞および大出血のリスクを評価すること、リバーロキサバンの投与開始時期とイベント発現および梗塞サイズの関連性を評価し、リバーロキサバンの至適投与開始時期を検討するために行われた。今回、その解析結果が発表された(PLoS ONE 2019; 14: e0212354)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

熊本市民病院神経内科。1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中でいろいろな活動を行っている。日本脳卒中学会・日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする