脳梗塞再発予防のための薬物療法を展望する

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研究の背景:推奨療法で虚血性脳卒中後の心血管リスクは軽減できない

 軽症の急性虚血性脳卒中または一過性虚血発作(TIA)発症後、心血管リスクは推奨される長期の抗血小板療法では軽減できないほど高くなる。現在利用可能な治療法を用いても、虚血性脳卒中後に生活習慣を改善しても脳卒中再発や心血管疾患の生涯リスクは残存し、1年当たりの脳卒中の再発率は2.5〜4.0%、脳卒中によらない血管死率は2.1%、非致死的心筋梗塞の発症率は0.9%と報告されている。

 最近JAMA Neurol2020年7月27日オンライン版)に掲載された「非心原性脳梗塞再発予防のための薬物療法の展望」と題する論文では、過去5年間(2015年1月1日〜20年3月22日)に発表されMEDLINEに登録された脳卒中再発予防の臨床試験または臨床試験プロトコルについてシステマチックレビューを行っている。今回、この論文からわが国の脳梗塞再発予防のための薬物療法の現状と展望について考えてみたい。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

熊本市民病院神経内科。1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中でいろいろな活動を行っている。日本脳卒中学会・日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

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