今年(2024年)3月26日、HER2陰性で切除不能進行・再発胃がんに対する新たな治療選択肢として、抗CLDN18.2抗体ゾルベツキシマブが製造販売承認された。順調に手続きが進めば、6月中にも臨床現場への導入が始まることが予想される。また本稿が掲載されるころには、日本胃癌学会ガイドライン委員会のコメント(胃癌治療ガイドライン速報)が公開されると思われる(編集部注:5月22日公開)。同薬については既に多くの解説記事が存在するが、現時点までに発表された主要論文に基づき、実臨床における期待と課題を解説する(関連記事:「世界初、抗CLDN18.2抗体ゾルベツキシマブが承認」)。