科学勧告の背景:抗アミロイド免疫療法の導入で、新たな疑問が浮上 「抗アミロイド免疫療法における血管神経学的考察:米国心臓協会(AHA)による科学勧告」がStroke(2025; 56: e30-e38)に掲載されたので解説する。 アミロイドβペプチドを標的とした抗体(Aβ抗体薬)は、アルツハイマー病の初期段階に対する疾患修飾療法の可能性を秘めているが、脳浮腫や出血などアミロイド関連画像異常(amyloid-related imaging abnormalities:ARIA)のリスクも伴う。したがって、抗アミロイド免疫療法の導入は、脳血管疾患患者を治療する臨床医に新たな一連の疑問を投げかけている。 今回の科学勧告は、医療界がこれらの画期的な薬剤に関するさらなるデータと経験を集積する中で、こうした難しい決定を導くためのデータと重要な考慮事項についてまとめている。