ドクターズアイ 橋本洋一郎(脳卒中)

脳卒中再発予防、単剤療法のすすめ

非弁膜症性心房細動およびアテローム血栓症の併発例が対象のATIS-NVAF試験

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研究の背景:国内41施設が参加した非盲検RCTで、抗血小板薬併用の臨床的ベネフィットを検討

 虚血性脳卒中に加え、非弁膜症性心房細動(NVAF)およびアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)を併発した患者は、虚血性イベントの再発リスクが高まる。抗凝固療法と抗血小板療法の併用は虚血リスクを低減する可能性があるが、出血を増加させるため、最適な抗血栓戦略は依然として不明である。

 虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)に加え、NVAFおよび動脈硬化性心血管疾患を併発した患者において、抗凝固療法に抗血小板薬を追加することが、臨床的ベネフィットに影響を及ぼすかどうかを明らかにするために多施設共同、非盲検ランダム化比較試験(RCT)であるATIS-NVAF(NVAFおよびアテローム血栓症を伴う虚血性脳卒中患者における抗血栓療法)が、わが国の41施設で実施された(JAMA Neurol 2025年10月6日オンライン版)。

橋本 洋一郎(はしもと よういちろう)

済生会熊本病院脳卒中センター特別顧問

1981年鹿児島大学医学部卒・熊本大学第一内科入局、1984年国立循環器病センター、1987年熊大第一内科、1993年熊本市民病院神経内科、2022年より現職。専門は脳梗塞、頭痛、禁煙支援、リハビリテーション、医療連携。急性期病院の医師として脳卒中診療ネットワーク構築の中で多彩な活動を行っている。日本脳卒中学会名誉会員、日本頭痛学会・日本禁煙学会の理事。

橋本 洋一郎
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