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男性ホルモンが多い高齢男性は心臓病になりにくい

 2011年12月02日 15:13

 男性らしい体作りをしてくれる男性ホルモンのテストステロンだが、一般的に30歳ごろから分泌量が低下し始め、ストレスとも相まって男性更年期障害を引き起こす原因ともなる。そのテストステロン値が高い高齢の男性で、心血管疾患(心臓や血管など循環器の疾患)になるリスクが低いという研究結果を、スウェーデンの研究グループが米医学誌「Journal of the American College of Cardiology」の10月号(2011; 58: 1674-1681)に発表した。

最大値群で30%のリスク低下

 血清中のテストステロン値が低いと肥満や動脈硬化と関係し、テストステロンと結び付くタンパク質「性ホルモン結合グロブリン」の遺伝子変異は、2型糖尿病リスクと関係する。研究グループは、高齢男性(69~81歳)2,416人を対象に、血清テストステロン値および性ホルモン結合グロブリン値と心血管疾患に関連する事象(心血管イベント)との関係を検討した。

 5年間(中央値)の追跡で、485人に心血管イベントが認められた。解析の結果、総テストステロン値と総性ホルモン結合グロブリン値が上がるごとに、心血管イベントリスクが低下していることが分かった。

 テストステロン値を4つに分けた最大の群(血清1デシリットル当たり550ナノグラム以上)は、ほかの3群と比べて心血管イベントリスクが30%低かった。この関係は、ほかの心血管疾患危険因子で補正しても変わらず、登録時に心血管疾患があった男性を除外した場合も実質的に変化はなかった。

 テストステロンと性ホルモン結合グロブリンの両方を含めた解析では、テストステロン値のみが心血管イベントを予測する指標だった。

(編集部)

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