がんやポリープは認められないのに、腹痛と便通異常などの消化器症状の改善と悪化を長期間繰り返す過敏性腸症候群(IBS)。国民の10人に1人が罹患しているともいわれるが、患者はこれらの消化器症状を体質的なものとあきらめ、IBS治療の新薬が登場したにもかかわらず、医療機関への受診率が低いのが現状だ。兵庫医科大学内科学上部消化管科の三輪洋人主任教授は9月15日、東京都で開かれたプレスセミナー(主催=アステラス製薬)で、IBSに関する調査結果を報告。IBS患者では「腹痛などで通勤・通学途中にトイレに行く」と回答した割合が77%に上ることなどを紹介し、病態への理解や受診率の向上を呼び掛けた。