出産直後の子供を母親に抱かせ、肌と肌を直接触れ合わせる「カンガルーケア」は、ケア中の呼吸停止や無理な完全母乳の推進による低栄養状態、母子同室による子供の観察欠如などにより、正常に生まれた子供が重大な脳障害を負う事故が後を絶たない。この慣習に警鐘を鳴らし、改善を求める「出産直後の、カンガルーケア・完全母乳等のため脳障害を受けた新生児を抱える『患者・家族の会』」が11月26日、福岡市で発足した。参加6家族のうち4家族が病院に対し損害賠償を提訴中で、うち宮崎県の1ケースは「カンガルーケアや完全母乳のリスクへの警告もせずに、安全配慮に欠けるガイドを発表している国にも責任がある」として国も相手取っている。このケースの第1回口頭弁論が12月に始まるのを前に、26日は6家族が事故の経緯や、助産師中心に進む周産期医療の危うさについて情報交換を行った。